天文写真に興味を持ち始めた頃、星雲星団を撮影してみたいと思うようになりました。
でも、星雲星団はどんなものかもよく知らず、どんな機材が必要かも分かりません。
天文写真をやっている友人も少なく、今のようにネットに情報が溢れているという時代でもありません。
そんな時に一冊の本に出合いました。
藤井旭氏の「星雲・星団ガイドブック」です。
藤井旭さんは天文写真家として活躍しておられ、
撮影された天文写真はとても綺麗で、憧れの人でした。
手に入れた本を端から端まで読んで知識を吸収しました。
この本は星雲星団を見たり撮影するためのバイブルになりました。
懇切丁寧に書かれており、様々なエピソードも盛り込まれていて、今読み返してみてもその価値は変わりません。
藤井旭氏の「星雲・星団ガイドブック」
誠文堂新光社 1971年8月2日第1版発行 定価680円
各星雲星団毎に、以下の内容が記載されています。
・各星雲星団の説明
・双眼鏡や望遠鏡での見え方
・導入方法(当時は、目印となる星を辿って手動で導入しなければなりませんでした。)
・望遠鏡は小口径(6〜8cm)を対象にしています。
・倍率を変えたときの見え方等が細かく記載されています。
・スケッチも収録されています。
・写真
・主に200mmまでのレンズで撮影した写真が数多く収録されています。
・撮影データが記載されているので、とても参考になりました。
・写真は、ご本人も含めて多くの方のものです。
目次のページを示しますが、こんなに多くの天体が網羅されているのです。
(ご本人ではありませんが)撮影風景の写真が載っています。
懐かしいですね。
機材として一番衝撃を受けたものがこれです。
このような短焦点反射望遠鏡を作ろうと思ったのですが、結局実現できませんでした。
200mmの望遠レンズが欲しかったのですが、無理でした。
135mm F3.5の中古をやっと見つけて手に入れました。
カメラ雑誌の広告を参考に、中古カメラ店をいろいろまわった記憶があります。
その後、先日記事にした「TS式40mm屈折赤道儀H型」を購入して、星野写真を撮り始めました。
でも移動手段が電車やバスしかなかったので、年に数回程度でしょうか。
そして就職して社会人になると、いつの間にか星空を見なくなっていました。
再開のきっかけは百武彗星とヘールボップ彗星です。
念願の200mm望遠レンズも手に入れました。
でも、カメラはマニュアルフォーカスからオートフォーカスになっていました。
これが望遠レンズによる星野写真をつまづかせました。
微妙にピンボケな写真ばかりが増えていきました。
今はライブビューが使えますね。
また撮ってみようかな?
(たわごと)
どなたか、デジタルカメラでの写真に差し替えて、この本の現代版を作ってくれませんかねえ。
メシエ天体の全制覇を狙っているあなた! どうですか?
それにしても、物価変動を考えても、680円とは信じられない値段ですね。
今だったら、どんな値段になるのでしょう?