2019.11.10 Sunday
星野写真(60Da、100mm) カシオペア座領域1
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この 「カシオペア座領域1」 には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M103 (NGC581) : 散開星団
・NGC281 : 散光星雲
・IC59/63 : 散光星雲
・NGC457 : 散開星団 (E.T. Cluster、Caldwell Object C13)
・NGC663 : 散開星団 (Horsechow Cluster、Caldwell Object C10)
撮影日時 : 2016/11/03 21:36〜 360sec×20枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+4℃
撮影日時 : 2019/10/30 00:28〜 360sec×17枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+5℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
追尾 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw11.4 : Raw現像
・Deep Sky Stacker : コンポジット
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩強調
・Photosop 2020 : コントラスト調整、色合い調整、等々
・StarNet++2
・Nik Collection (Dfine 2)
空の暗さ(BC)、透明度(B)、フォーカス(AB) 5段階評価 2016/11/03
空の暗さ(B)、透明度(B)、フォーカス(B) 5段階評価 2019/10/30
StellaNavigator での写野 (恒星は10.0等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
”カシオペア” の中心部とも言える領域で、Wの明るい星の3つが入っています。
思っていた以上にカラフルで、とても楽しい領域ですね。
でも場所によって背景の色合いがかなり異なっていて、色合いの仕上げ方がとても難しいです。
本来の色合いの違いなのか単なる色ムラなのかとても悩ましいです。
特にシアンが強い領域があるのが私は苦手です。
「パックマン星雲」 を入れたのでこのような構図になりましたが、もっと北側が気になるところですね。
この領域は散開星団がとても多いです。
しかもカルドウェル・カタログに選ばれているものが2つもあります。
秋の銀河(天の川)の中なので、いろんな要素が入り混じっています。
でも全体を見ながら仕上げているので、個々の対象に適した処理にはなっていないと思います。
このあたりが写野の広い星野写真のとても厄介なところだと感じています。
本来はもう少し早い時期に撮影したかったです。
そうすれば地平高度が高くて、しかも星空のきれいな夜半後に撮影できますからね。
でも空の状態は比較良かったので、たっぷり露光できました。
2016年と2019年に撮影した画像を使って仕上げていますが、長辺方向は約94%,短辺方向は約94%のトリミングになっています。
星の肥大化をできるだけ抑えて、明るめに仕上げました。
星雲の構造の描写などには少し不満もありますが、全体的な感じを大事にしたつもりです。
M103 (ピクセル50%表示で切り抜き)
天の川の中なので、散開星団は微光星に埋もれてしまいそうです。
この領域は散開星団がとても多くて、「M103」 は目立たないですね。
写真では 「NGC663」 のほうがずっと見栄えがして、カルドウェル・カタログに選ばれているのも
納得できます。
NGC281 (ピクセル50%表示で切り抜き)
その形から 「パックマン星雲」 と呼ばれています。
比較的明るくて、満月ほどの大きさがあります。
IC59/63 (ピクセル50%表示で切り抜き)
Wの真ん中の星(γ星)にまとわりつくように位置している小型の反射星雲です。
全体はひとかたまりの星間ガスのようですが、
γ星の北側に 「IC59」,北東側に 「IC63」 という番号が付いています。
色がとても綺麗な星雲ですね。
でも拡大撮影では、γ星のゴーストが厄介かもしれません。
NGC457 (ピクセル50%表示で切り抜き)
ふくろう星団 (Owl Cluster)、とんぼ星団 (Dragonfly Cluster)、ET星団 (E.T. Cluster)などと、
いろいろな愛称があるようです。
ET星団は2つの明るい星から連想されるのでしょうね。
その東側に小さい赤い星雲があって気になるのですが、番号等は分かりません。