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2020.09.02 Wednesday

宇宙物理学  星の生まれる場所 (1) オリオン星雲

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    ***** 宇宙の構造 (2) 天の川銀河内 > 恒星 *****


    オリオン星雲は、次から次へと星が生まれている場所だ。

    巨大な分子雲では全体が一度に縮むというより、端のほうがまず縮んで星ができ、その余波で隣接する部分が縮んで星ができというように、年代の違う星団が並ぶことがある。
    オリオン座のなかでは5つの星のグループが確認されているそうで、一番若い星団はいまだにオリオン星雲の奥深くにあって、互いにくっつくようにして赤外線で輝いているそうだ。

    一人前の星として輝きだすと強い紫外線が放出される。
    この光がときとして、後から生まれてくる星の誕生を妨げることもある。

    それでも星はつぎつぎと生まれてグループをつくる。
    オリオン星雲を照らしているのは、中央にある4つの明るい星(トラペジウム)を中心として約200万年前に誕生した2番目に若いグループだ。
    あとのグループは600万年前、800万年前、1200万年前につくられて、互いに隣接しあうように並んでいるそうだ。

    この「あとのグループ」がどれなのかを調べたのだが、残念ながら分からなかった。



    肉眼で見えるオリオン星雲は、より巨大な分子雲のごく一部でしかない。
    その正体を見るには、赤外線や電波での観測が必要になる。
     

    オリオン座には、「オリオンA分子雲」と「オリオンB分子雲」と呼ばれる太陽の10万倍もの質量を持つ巨大な分子雲がある。
    「オリオンA分子雲」の北側の端には「オリオン星雲」が位置しており、「オリオンB分子雲」の南側の端には「馬頭星雲」が位置している。


    今日はいろいろなサイトからお借りした画像を紹介する。
    きれいな画像はただ見てるだけでもとても楽しい。
    オリジナルは大きな画像が多いので、ぜひそちらでじっくりご覧頂きたい。



    遠赤外線で見た「オリオンA分子雲」

         画像はESA(欧州宇宙機関)のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    画像は時計方向に90度回転させてある。
    ESAのハーシェル宇宙天文台で撮影されたもので、中央部にオリオン星雲が、右端にランニングマン星雲が見える。
    写野は1.3度×2.4度で、70ミクロン(青で表示),160ミクロン(緑で表示),250ミクロン(赤で表示)の擬似カラー画像だ。



    遠赤外線で見た「オリオンB分子雲」

         画像はESA(欧州宇宙機関)のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    ESAのハーシェル宇宙天文台で撮影されたもので、右端に小さく「馬頭星雲」が見えるのがわかるだろうか?
    写野は4.5度x1.5度で、70ミクロン(青で表示),160ミクロン(緑で表示),250ミクロン(赤で表示)の擬似カラー画像だ。



    近赤外線で見た「オリオン星雲」の中心部

         画像はESO(欧州南天天文台)のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    可視光は星雲のガスやチリによりほとんど吸収されてしまうので、星雲の内部の様子を見ることができない。
    これは、1.24ミクロン(青で表示),1.65ミクロン(緑で表示),2.16ミクロン(赤で表示)の擬似カラー画像だ。
    中心部に見られる特に明るい星々は、トラペジウムと呼ばれる有名な4重星だ。
    いずれも若い巨星で、これらの星から放射される強力な紫外線が星雲のガスを高エネルギー状態にさせ、星雲を輝かせている。
    トラペジウムの付近には、狭い範囲に多数の若い星が集中し、「トラペジウム星団」を形成している。
    その右上に見えるオレンジ色の明るい星雲は、クラインマン・ロー星雲(KL星雲)だ。


    オリオン星雲の原始惑星系円盤  (1994.06.13)

         画像はハッブルサイト・ニュースリリース・アーカイブからお借りしました。  → こちら

    ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、オリオン星雲の中で生まれたばかりの星の周りの原始惑星系円盤だ。
    5つのうち4つは、形成された星はガスや塵に囲まれていてまだ見えていない。



    オリオン星雲中心部の褐色矮星  (2000.08.24)

         画像はハッブルサイト・ニュースリリース・アーカイブからお借りしました。  → こちら

    写野はおよそ0.5度角だ。
    右はハッブル宇宙望遠鏡(HST)による近赤外線の画像だが、「トラペジウム星団」に50個ほどの褐色矮星が見られる。
    褐色矮星は、十分な質量に達しなかったために、星の中央で核融合反が起こらず恒星として輝きを放つことができなかった天体だ。
    ほぼ赤外線のみで輝いていて、誕生から時間が経つにつれてだんだん冷えて暗くなっていく。



    超音速で飛び抜けるガスの塊とその航跡  (2007.03.22)

         画像はジェミニ天文台のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    オリオン星雲(M42)の中を超音速で飛び抜けるガスの塊とその航跡を鮮明にとらえた画像だ。
    この塊はガスの中で音が伝わる速度の1000倍で移動しているそうだ。
    先端付近で青く輝いているのは、衝撃波によって摂氏約5000度に加熱された鉄の原子だ。
    水素を主成分とする星雲と飛び抜けるガスの塊りは激しく衝突しているため、先端付近では水素は分子として存在できない。
    ガスの塊りが通り抜けた後は、星雲を構成する分子状態の水素が約2000度に暖められ、オレンジ色の航跡として見えている。



    オリオン星雲の若い星を観測して惑星の誕生と進化に迫る (2010.04.01)

         画像はNASA/JPLのニュース・アーカイブからお借りしました。  → こちら

    NASAの赤外線天文衛星スピッツァーが撮影したオリオン星雲(M42)だ。
    冷却用の液体ヘリウムを使いきった後で、同じ領域を何度かに分けて繰り返し観測したそうだ。
    3.6ミクロン(青で表示),4.5ミクロン(オレンジ色で表示)の擬似カラー画像だ。



    質量の大きい星から放射された紫外線などが分子雲における星形成を誘発している  (2011.02.25)
     
         画像は東京天文台のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    左はオリオン分子雲の赤外線画像で、右は野辺山45m電波望遠鏡で取得された一酸化炭素分子の観測結果だ。
    分子雲コアと周辺環境との関係を詳細に調べることで、大質量星から放射された紫外線などがオリオン座分子雲内での星形成を誘発している可能性があることがわかったそうだ。



    中間赤外線で見たオリオン星雲  (2011.04.18)

         画像はSOFIA Science Centerのウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    SOFIAは航空機を使って成層圏での赤外線観測を行なう天文台だ。
    右は、19.7ミクロン(緑色で表示),37.1ミクロン(赤で表示)の画像を組み合わせたものだ。



    オリオン星雲の手前にもう1つの大星団  (2012.11.13)

         画像はCFH(カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡)のウェブサイトからお借りしました。  → こちら

    欧州研究チームの観測により、オリオン星雲の手前側に大規模な星団が独立して存在していることがわかったそうだ。
    これらの星々は、いわゆる「小三ツ星」の1番下のι(イオタ)星、通称ハチサの周囲に群がっている。
    「イオタ星星団」と名づけられたこの星団の星々は、星雲中心部にあるトラペジウム星団よりほんの少しだけ年齢が高いそうだ。











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