星空が好き、猫も好き

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2011.07.12 Tuesday

星景写真(1枚撮り)の撮影と後処理方法

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    デジタルカメラを用いた星空写真の撮影方法と後処理に関してまとめてみました。

    以前に概要編を記述しましたが、今回は詳細編です。
    撮影対象や手法により5回に分けます。

    今日は、星景写真(1枚撮り、固定撮影)です。



    1.機材

    1.1 機材の全容

    機材は、フィルター以外は風景写真の場合と同じです。
        ・カメラ、レンズ、(フード)
        ・三脚
        ・レリーズ
        ・水準器  → アクセサリーシューに取り付けます。
        ・フィルター  → 「リー・ポリエステルフィルター」を使う場合は、フードは使いません。



        さっきまで寝ていたのに、いつのまにか集まってきてしまいました。


    1.2 フィルター

    最近は、「リー・ポリエステルフィルター」を使っています。
    レンズの前に手で持ってかざしたり、適当に切ってレンズの後ろに配置したりしています。


    1.3 水準器

    水準器はこんなものを昔から使っています。横構図と縦構図とで、取り付け方を変えます。
     



    1.4 霜除け対策

    レンズやフィルターの霜除け対策は、ほとんどしていません。
    露光時間が短いので、レンズが曇るような時はカメラをときどき車の中で暖めてやります。
    フィルターは、ポケットに入れておいて撮影するときだけレンズの前にかざします。

    長時間露光をする場合には、レンズをヒーターでわずかに暖めてやることがあります。
    ヘールボップ彗星のころに、天文ショップで買ったものです。
     


    1.5 カメラのバッテリー

    最近のバッテリーは、寒さにも強いし、長持ちするようになりました。
    5D Mark兇任蓮⊃薪澆46枚撮影しても、2/3も残っています。

    20Dは冬には2時間程度で凍死していました。
    これは、カメラが必要な電圧がバッテリーの電圧に近くて余裕が無かったためかなと思っています。
    古くなったバッテリーだと、数枚撮っただけでダメになっていました。



    2.カメラとレンズの設定等

    2.1 カメラの設定

        ・記録画質はRAW
           ・ホワイトバランス等の設定は任意でOKです。(Raw現像時に調整します。)
        ・ノイズリダクション (20Daを使っていた頃の設定で、5DMark2では両方共にOFFにしています。)
           ・高感度撮影時のノイズ低減  → 「標準」
           ・長秒時露光のノイズ低減  → ISO感度が800程度以上の時は「する」
              ・ただし、実質的な撮影時間が露光時間の2倍になってしまいます。


    2.2 レンズの設定

        ・フォーカスは無限遠に合わせます。
           ・明るいうちに遠くのものでAFでフォーカスを合わせて、テープで固定しておきます。
           ・その準備が出来なかった場合は、現場でライブビュー機能を使って合わせます。
              ・でも、私にはこれが以外と手間がかかりうまくできません。
              ・まず、適当な星を中心付近にもってきて映像を拡大します。
              ・マニュアルでフォーカスを合わせます。
              ・フォーカスが合った時に、星像が消えるような暗めの星を使うのがポイントだと思っています。
        ・フォーカスモードはMFにセットします。
           ・AFモードにしたままだと、
              ・テープで固定した場合は、シャッターが下りないので、あたふたしてしまいます。
              ・そうでない場合は、AF機能が働いて、せっかく合わせたフォーカスがずれてしまいます。
        ・手ぶれ補正機能がある場合はOFFにします。

        ・絞り → あまり絞らずに使っています。
           ・収差はあまり気にしていません。(特にディフュージョンフィルターを使う場合)
           ・周辺減光は、ある程度は後処理で補正できます。


    2.3 露光条件の基本

    星空の明るさは、ISO感度,レンズの絞り,露光時間の組み合わせで決まります。
    暗くてきれいな星空が見える場所では、以下の式が適正な露光条件の目安かと思います。
        (ISO感度)×(露光時間(秒))/(F値×F値)〜12500

         ※ 最近は星をもっとくっきり写したくて、この数倍の露光をすることもあります。 (追記 2014.02.12)

    ISO感度は高く設定するほど画像がノイジーになります。
    また気温によってノイズ量は変わります。
    でも、ノイズのことはあまり気にせずに、どんどん撮ることのほうが大切です。
    技術の進歩によってかなりの高感度設定でも許容範囲になってきましたし、ツールでのノイズ低減処理も目を見張るものがあります。


    露光時間を長くすると、日周運動によって星は点ではなくて線になってしまいます。
    レンズの焦点距離や星の位置によっても異なるのですが、大まかに言って、点に見えるようにするには露光時間を30秒以内にしたいです。

    一方で、数分から数十分の露光時間で固定撮影すると、星の軌跡がほど良い長さになって、星座の形もよく分かります。


    2.4 ディフュージョンフィルター

    ディフュージョンフィルターをいろいろ変えてみた例を示します。
        ・上、左 : Lee 1 (レンズの後に配置)  固定撮影(20秒)
        ・上、右 : Lee 1 (レンズの後に配置)+Lee 2 (レンズの前に配置)  固定撮影(20秒)
        ・中、左 : Lee 1 (レンズの後に配置)+Lee 3 (レンズの前に配置)  固定撮影(20秒)
        ・中、右 : Lee 1 (レンズの後に配置)+Lee 4 (レンズの前に配置)  固定撮影(20秒)
        ・下、左 : Lee 1 (レンズの後に配置)+Lee 5 (レンズの前に配置)  固定撮影(20秒)
        ・下、右 : Lee 1 (レンズの後に配置)  固定撮影(300秒)


      2011/01/06 23:24  EF24mm F1.4→2.0  EOS 5DMark2 RAW  ISO2500
      下右は EF24mm F1.4→2.8   ISO400  山梨県 みずがき湖ビジターセンターにて




    3.星空の明かるさと色合い

    3.1 星空の明かるさ

    星空の明るさはどの程度に設定するのが好ましいでしょうか?
    これは絵作りの過程で決めることであり、結局は好みの問題だと思っています。

    ただ、ウェブやブログで多くの人の星景写真を見ていると、昔よりは明るく設定されているように感じます。
    私も、以前よりは全体に明るく設定するようになっています。
    カラーのヒストグラムの平均値として、以前は45〜50と暗めにしていたのですが、最近は55〜60と少し明るめにしています。

    「星景写真」と一口で言っても、2種類のタイプがあるような気がしています。
    まずは星野写真の延長で地上の風景を取り入れたもので、私の写真もこちらです。
    星野写真を引きずっているので、コントラストが強めで全体に暗めに仕上げています。
    以前はほとんどの人の写真がこの種類で、「星景写真」としては中途半端だったかもしれません。

    そして風景写真の延長で星を取り入れたもので、これが本来の「星景写真」かと思います。
    星の写真をデジタルカメラから始めた人(特に若い人や女性)が多いように感じています。
    地上の風景の取り入れ方のセンスが良いですねえ。
    コントラストは控えめで、全体に明るめに仕上げていることが多いです。

    もちろん、両方の良いところを兼ね備えた「星景写真」を撮られている人もおられます。
    私も後者の作風に惹かれて、絵作りが少し変わってきています。


    3.2 コントラスト

    コントラストも、上記の明るさと同様の傾向があります。
    星景写真では、コントラスト強調はかなり控えめにしています。


    3.3 星空の色合い

    星空写真において、最も悩んでいるのが星空の色合いです。

    これも絵作り、すなわち好みの問題だと思っています。
    でも、自分の絵作りが確立できていないので、あっちへふらふら、こっちへふらふらしています。
    何かの本に書いてあった「星空はニュートラルグレー」ということが頭にインプットされていて、それに縛られてもいます。

    Raw現像でのホワイトバランス設定(カメラの設定でも同じこと)でどのようにでもできるんですよねえ。
    ホワイトバランス設定をいろいろ変えてみた例を示します。
        ・上、左 : 色温度2850K、色かぶり補正0  [タングステン・白熱灯]
        ・上、右 : 色温度3500K、色かぶり補正0
        ・中、左 : 色温度3800K、色かぶり補正+21  [蛍光灯]
        ・中、右 : 色温度4200K、色かぶり補正-8
        ・下、左 : 色温度4200K、色かぶり補正-18
        ・下、右 : 色温度4200K、色かぶり補正+2
    撮影直後は中右に設定したのですが、こうして見ると目移りしてしまいますねえ。


      2011/01/31 21:41  EF24mm F1.4→2.0  固定撮影(20秒)  Lee Soft-2 Filter(後)
      EOS 5DMark供RAW、ISO2500  長野県 原村 自然文化園にて




    4.地上の風景への光

    地上の風景が真っ暗でシルエットになってしまっては、ちょっと面白くありません。
    そこで地上の風景への光がポイントになりますが、考えられるものを列挙してみます。
        ・街明かり
        ・街灯や建物の明かり
        ・月明かり
        ・雪明り
        ・薄明(夕方、朝方)
        ・車等のライト(偶然当てられたもの)
        ・車等のライト(作為的なもの)  → これはまだやったことがありません。


    4.1 街明かり

    街明かりは、好むと好まざるとに関わらず避けられません。
    これを極力避けるのか、それとも積極的に取り入れていくのか、によって撮影場所等が大きく異なってきます。

    街明かりで夜空が部分的に明るくなっている場合は、ホワイトバランス等をどう調整しても、夜空の色合いがくすんでしまうように思えます。
    八ヶ岳の南麓では、特に東から南の方向がそうです。
    夜空の色合いを左のように調整すると、低空が黄色っぽくくすんでしまいます。
    右のように調整すると少しはましになるのですが、、、。


      2010/12/04 23:33  EF24mm F1.4→2.0  固定撮影(20秒)  Lee Soft-5 Filter(レンズの後ろに配置)
      EOS 5DMark2 RAW、ISO2500  山梨県 高根町にて


     一方で、街中のように空全体が明るい場合は、夜空の色合いの調整が容易なように思えます。


    4.2 月明かり

    まだあまり経験がなく、適度な月明かりの具合いが把握できていません。
    月の明るさ(月齢)と月の位置の両方を選ばなければならず、また月の高度が低いと地上の風景は赤っぽくなります。
    また、夜空の場所による明るさの変化が大きくて、トーンジャンプを起こしやすいので注意が必要です。


      2010/01/24 23:23  EF15mm F2.8→2.8  ガイド撮影(30秒) DIFFUSER-FILTER
      EOS Kiss X3 JPEG、ISO800  長野県 富士見町 井戸尻遺跡



    4.3 雪明り

    雪面は周りの光をよく反射するので、雪が積もっていると地面はほんのり明るくてちょうど良いです。

    私は雪山などは行ったことはなくて、場所はいつも車で出かけているところです。
    でも、脇道などに入ると思わぬ積雪だったりすることがあるので注意が必要です。


      2005/01/18 01:21  EF16-35mm(16mm) F2.8→2.8  固定撮影(30秒) DIFFUSER-FILTER
      EOS 20D RAW、ISO1600  山梨県 高根町



    4.4 車等のライト(偶然当てられたもの)

    車のライトに照らされると、それがかえって良い感じになることがあります。
    上が照らされた例で、下がその後に撮りなおした例です。

    でも、これは狙って撮れるものではないので、手段とは言えないですね。


      2006/04/21 22:59  EF16-35mm(16mm) F2.8→2.8  ガイド撮影(60秒) DIFFUSER-FILTER
      EOS 20Da RAW、ISO1600  山梨県 高根町


     








    コメント

     こんにちは!
     星の写真をデジタルから始めた若くない人です(銀塩での撮影は人生通算 KODAK TRI-X Film 1本のみです)(笑
     すごく役立つ情報、ありがとうございます。実際に違いを見比べられてとてもわかりやすいです。
     天体撮影用には、Eos20D(改)を使っています。バッテリー、よく死にます(笑 昨日も撮影途中、2時間半で死にました。暖かかったのに。 しっかり、予備のバッテリー(サードパーティーの安物)を準備していたので大丈夫でした。
     続きを楽しみにしています。
    2011/07/12 10:33 AM by 阪神ファンいっこう
    こんにちは
    いつもとても為になる記事をありがとうございます。
    画像をそろえて記事を書くだけで何時間もかかるかと思います。
    にもかかわらずちょっと質問なのですが、2.3の適正露出の式 (ISO感度)×(露光時間(秒))/(F値×F値)〜12500 はどういった使い方をするのでしょうか? 分数? 左右が同じ?  スミマセンちょっと頭が弱いようです(笑)

    バックグラウンドの色やコントラストは私も過去を引きずっている一人です^^;
    自分のスタイルが確立されてないので毎回迷宮入りです。

    2011/07/12 11:34 AM by かたくちいわし
    >阪神ファンいっこうさん、こんにちは。

    私の基準では、40歳より下は若い人です。

    20Dのバッテリーは本当に弱いです。
    以前はそんなものかと思っていたのですが、KissX3を使ったらその違いにびっくりしました。
    2011/07/12 1:42 PM by やまねももんが
    >かたくちいわしさん、こんにちは。

    式、分かりにくかったようでごめんなさい。
    〜は=と読み替えて下さい。
    〜の左辺は分数です。(F値×F値)が分子です。

    露光時間を求めるには
    露光時間(秒)=12500×(F値×F値)/(ISO感度)
    となります。
    2011/07/12 1:49 PM by やまねももんが
    こんにちは。
    今まで謎だなあと思っていたことが、これを読んで一気に氷解したような気がしました。星空の色合い等、勉強になりました。
    自分の星野写真の延長で星景写真を捉えていて、なんの疑問も持たなかったタイプなので、目から鱗という感じです。
    2011/07/12 7:08 PM by さとう
    >さとうさん、こんにちは。

    私もブログを始める前は、自分のやり方に関してあまり深く考えたことはありませんでした。
    そこで一度、今まで自分がやってきたことや考えてきたことを整理して見直してみようと思ったのです。

    そして、ここはこれで本当に良いのかなと思う部分もいろいろ見つかりました。
    このような場を通して、いろいろな方々と意見の交流が出来ればうれしいなと思っています。
    これからも宜しくお願いします。
    2011/07/12 7:46 PM by やまねももんが
    こんにちは。
    スゴイですね!いつも行き当たりバッタリで撮影しているのでとても参考になります。
    「星空の色合い」は本当に悩み所ですね。今はどうにでも出来てしまうので、最悪は見せる人に合わせてしまったり^^;
    雪明りは一度は撮ってみたいです。今年は解けないで残ってくれるといいんですけど。

    そうそう水準器、同じタイプの物を使っているのですが、私は縦長に取り付けて、縦構図も横構図も両方に使ってます。
    いちいち付け直すのが面倒なので^^;
    2011/07/14 6:10 PM by daisy
    >daisyさん、こんにちは。

    関東地方は猛暑が続いていますが、お変わりないですか?

    色合いはずっと悩んでいます。
    最近は「タングステン・白熱灯」の明るい青に惹かれていますが、どうしようかなあ。

    雪明りは面白い写真が撮れますよ。
    でも昔、農道に入っていったらスタックしてしまって、JAFに救出してもらったことがありました。

    水準器の取り付け方、なるほどです。
    2011/07/14 7:22 PM by やまねももんが

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