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2011.07.16 Saturday

星景写真(比較明合成)の撮影と後処理方法

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    デジタルカメラを用いた星空写真の撮影方法と後処理に関してまとめてみました。

    今日は、星景写真(比較明合成)です。


    1.機材

    機材は、星景写真(1枚撮り)の場合と同じです。
        ・フィルターは使用しません。
        ・霜除け対策は、1枚撮りの場合よりも必要です。
           ・撮影の途中で前から覗いてチェックができませんので、不安ならば対策を!



    2.カメラとレンズの設定等

    2.1 露光条件の考え方

    比較明合成の場合、「星空及び地上の風景の明るさ」と「星の軌跡の明るさ」は独立に設定することができます。
        ・星空及び地上の風景の明るさは、ISO感度,レンズのF値,1枚の露光時間、で決まります。
        ・星の軌跡の明るさは、ISO感度,レンズのF値、で決まります。1枚の露光時間は関係ありません。

    だから、明るい都会でも暗い山奥でも、また月夜でも、露光条件を適切に設定すれば星空写真を撮ることが可能です。

    まず、「星の軌跡の明るさ」からISO感度とレンズのF値を決めますが、以下の条件あたりを選んでいます。
        ・(ISO感度)/(F値×F値)〜12.5
    星の明るさは、1枚撮りの場合よりもずっと暗くします。
    そうでないと、星の軌跡ばかりになってしまい、また星の色が無くなってしまいます。
      なお、上記の条件は明るい都会では試したことがありませんので、ご注意願います。

    「星空及び地上の風景の明るさ」は、撮影場所の明るさや月の有無等に応じて、1枚の露光時間で調整しています。
        ・闇夜(通常の星空写真を撮るような場所で月が無い場合) → 10分
        ・月夜(満月) → 30秒程度
        ・月夜(半月) → 120秒程度
      多くの場合、さらに撮影後の画像に対して明るさの調整をしています。


    2.2 星の軌跡の切れ目

    タイマーリモートコントローラ(TC-80N3)を使って連続撮影していますが、1秒間のインターバールが生じてしまい、星像は完全には繋がりません。
    特に、星雲や星団のように面積を持つものは目立ってしまいます。

    左端のM45(プレアデス星団)がその例です。
    等倍に拡大した画像も示します。(星像がシャープでないところは目をつぶって下さい。)


      2011/01/07 23:23  Tokina 10-17mm(12mm) F4.0→4.0  固定撮影(600秒)
      14枚を比較明合成  インターバル1秒  EOS KissX3 RAW、ISO200




      カメラを連写モードに設定し、露光時間を数秒程度にすると、切れ目がほとんど無くなるらしいです。(まだ試したことはありません。)


    2.3 RAWかJPEGか

    私の場合は、ホワイトバランスの調整にこだわっているのでRAWで撮影しています。
    でも撮影場所に依っては、合成する枚数が多くなって、処理の手間等からRAWでは不可能になるでしょうね。


    2.4 カメラの設定

    主な設定は、
        ・記録画質はRAW
           ・ホワイトバランス等の設定は任意でOKです。(Raw現像時に調整します。)
        ・ノイズリダクション
           ・高感度撮影時のノイズ低減  → 「標準」
           ・長秒時露光のノイズ低減  → 「OFF」  ※これは重要です!

    JPEGの場合には、ホワイトバランスの設定だけは気をつけて下さい。
      AUTOに設定すると、1枚毎に色合いに違いが生じることがあります。
      そうなると、1枚1枚を調整するのは現実的には不可能です。
      合成後の画像に調整を加えることは可能ですが、試し撮りして最終イメージに近い状態に設定したいです。


    2.5 総露光時間の上限

    総露光時間の上限は、バッテリーで決まってしまいます。
      EOS Kiss X3の場合は、冬季には10分露光で17枚程度でバッテリーが空になりました。

      それ以上に撮影したい場合は、外部電源を使わなければなりません。



    3.撮影例(短い星の軌跡)

    数分から数十分の露光時間で固定撮影すると、星の軌跡がほど良い長さになって、星座の形もよく分かります。
    月の無い晩ならば、1枚撮りで撮影できますが、地上の風景が暗くて多くはシルエットになってしまいます。
    一方で月が明るい晩は、地上の風景は明るく写せますが、地上の風景と星空と星の軌跡の明るさをバランスよく撮るのが難しいです。
    そこで、比較明合成を使います。

    適切な総露光時間(星の軌跡の長さ)は、レンズの画角や星の位置によっても異なりますが、好みによっても違うでしょう。
    枚数を多めに撮影しておいて、比較明合成の時に決めれば良いと思います。


    [月齢9.2]  8分

      2010/01/24 21:51  EF16-35mm(16mm) F2.8→2.8  固定撮影(30秒)×16枚 比較(明)で合成
      EOS Kiss X3 JPEG、ISO400  長野県 富士見町 井戸尻遺跡



    [月齢15.0]  5分



    [月齢15.0]  10分



    [月齢15.0]  15分

      2011/02/18 23:56  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(30秒)  比較明合成
      EOS 5DMark2 RAW、ISO100  山梨県 高根町にて




    4.撮影例(北の空)

    北の空では、北極星を中心とした日周運動による円状の星の軌跡を写すことができます。
    これを「ぐるぐる」と呼んでいる人も多いようです。

    レンズの画角や総露光時間に依らずに、面白い写真が撮れるので、いろいろ試してみるのが良いでしょう。
        ・地上の風景の選択がポイントです。
        ・北極星を写野の中心付近に置いても面白いし、端に置いても面白いです。
        ・写野内に明るい星が多いときが狙い目です。



      2010/12/04 23:50  Tokina 10-17mm(12mm) F4.0→4.0  固定撮影(600秒)
      17枚を比較明合成  インターバル1秒  EOS KissX3 RAW、ISO200  山梨県 高根町




      2011/03/04 23:44  Tokina10-17mm(12mm) F3.5→4.0  固定撮影(露出599秒、インターバル1秒)
      9枚を比較明合成  EOS KissX3 RAW、ISO200  山梨県 高根町にて




    5.撮影例(東,西の空)

    東の空では昇る星々を、西の空では沈む星々を、写すことが出来ます。

    レンズの画角と総露光時間の組み合わせがポイントだと思いますが、未だに試行錯誤の途中です。
    幾つかの例を示します。


    [透明度が悪い夜でしたが、意外と写りました]  60分

      2010/03/11 22:29  Tokina10-17mm(15mm) F4.0→4.0  固定撮影(600秒×10枚) 比較(明)で合成
      EOS Kiss X3 Raw、ISO200  山梨県・高根町



    [中途半端で、失敗作です]  160分

      2010/11/05 22:35  Tokina 10-17mm(10mm) F4.0→4.0  固定撮影(600秒)
      16枚を比較明合成  EOS KissX3 RAW、ISO200  山梨県・瑞牆山自然公園



    [月齢15.0]  108分

      2011/02/18 23:46  Tokina10-17mm(11mm) F3.5→4.0  固定撮影(30秒)  216枚を比較明合成
      EOS KissX3 RAW、ISO200  山梨県 高根町にて



    [月齢19.0]  98分

      2011/02/22 22:52  Tokina10-17mm(10mm) F3.5→5.6  固定撮影(119秒)  49枚を比較明合成
      EOS KissX3 RAW、ISO400  山中湖 パノラマ台にて




    6.撮影例(南の空)

    通常の総露光時間では、南の空では星の軌跡は水平になってしまい、面白い写真にはなりません。

    非常に長い総露光時間(例えば半日程度)と非常に画角が広いレンズとを組み合わせれば、星の軌跡を円弧に写すことができて面白いと思います。
    でもまだやったことがありません。









    コメント

    こんにちは。
    比較明合成では目で見える以上の星が写るので最初に撮影を試したときは驚きました。
    白い雪に覆われた山並みや富士山が構図に入ると、いい感じに構図が締まりますね。
    2011/07/16 1:31 PM by さとう
    >さとうさん、こんにちは。

    最初は適当な露光条件が分からずに、星の軌跡ばかりで、しかも色が飛んでしまって。
    そのうちに、コツが少し分かってきました。
    デジタルカメラならではの手法ですね。
    2011/07/16 2:55 PM by やまねももんが
    こんにちは
    星の色が無くなるor薄くなるのは頭が痛いです。 でもこの記事の例では結構出ていますね。

    私は星の切れ目は最終的な段階でPhotoShopのレイヤーをずらして目立たなくしています。 
    2011/07/16 5:17 PM by かたくちいわし
    >かたくちいわしさん、こんにちは。

    1枚撮りの星景写真の露光条件などでは、星の軌跡にとっては露光オーバーになり、星の色が飛んでしまいがちです。
    ISO感度を落とすか、レンズを絞ってみてはどうですか?
    合成前の画像を見ると、星の写りはとても寂しいくらいが良いようです。

    星の切れ目に関しては、星ナビの今月号にもいろいろと記述されていますね。

    2011/07/16 5:35 PM by やまねももんが

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