2014.07.17 Thursday
フォトショップの勉強 (3)明瞭度 他
一昨日,昨日の続きで、画像処理で使うフォトショップの話です。
でも使い慣れている人には当たり前の内容で、備忘録としてまとめています。
以下では話を簡単にするために、8ビット(256諧調)のモノクロ(グレー)画像を扱います。
実験のために下のようなグレーチャートを作ってみました。
・横5pixel,縦20pixelの四角い領域を、0から255の輝度で塗り潰します。
・上の段は、左から右へ輝度0から輝度127までの128個を並べています。
・下の段は、右から左へ輝度128から輝度255までの128個を並べています。
今日の機能は CameeraRaw(8.5) の「明瞭度,シャドウ,ハイライト」です。
この機能は星景写真等で最近よく使っているのですが、詳細はよく知らずに使っていました。
なお、CameraRawはRawデータだけでなくTIFFやJPEGなども扱うことができます。
3.1 CameraRaw 明瞭度
明瞭度のスライダーを右に動かすと、星がはっきりくっきりします。
星景写真で(時には星野写真でも)最近よく使っている機能です。
明瞭度を50にした場合の、処理後の例題画像とヒストグラムを下に示します。
ヒストグラムを見ると、コントラスト強調されているのが分かります。
でもシャドウ側のピークは輝度0よりも右側にあり、ハイライト側のピークは輝度255よりも左側にあります。
黒潰れや白潰れを避けるための配慮でしょうか?
さらに各輝度のピクセル数が複雑に分布しています。
これはいったいどうしてでしょうか?
処理後の例題画像の右端をピクセル1200%で拡大し、さらに輝度99-155の範囲を引き延ばしてみました。
元画像は各長方形の領域(横5pixel,縦20pixel)が同じ輝度なのですが、処理後は微妙にばらついています。
ばらつきはランダムのようにも見えるし、少し規則性があるようにも見えます。
何か隠し味なのでしょうか?
上の操作と同じことをトーンカーブで実現しようとしましたが、微妙なばらつきを扱うことはできません。
そこで大まかな操作だけを再現してみました。
入出力関係(処理前後の輝度関係)は、大まかにはS字です。
でも対称形ではなく、中間よりやや明るい部分をより明るくする操作が強いです。
3.2 CameraRaw シャドウ
シャドウのスライダーを右に動かすと、星景写真で暗く潰れ気味だった地上の風景のディテールをある程度救うことができます。
シャドウを30にした場合の、処理後の例題画像とヒストグラムを下に示します。
ヒストグラムを見ると、左側1/3ほどの領域が変化しています。
かなり輝度の低い(暗い)部分だけが明るくなるようです。
明瞭度の場合と同様に各輝度のピクセル数が複雑に分布しています。
上の段の左端をピクセル1200%で拡大し、さらに輝度0-56の範囲を引き延ばしてみました。
元画像で同じ輝度だった長方形の領域内でばらつきが見られます。
これも隠し味なんでしょうかね。
上の操作の大まかな部分だけをトーンカーブで再現してみました。
入出力関係(処理前後の輝度関係)は、輝度の低い領域だけが左上の方向に持ち上げられています。
3.3 CameraRaw ハイライト
ハイライトのスライダーを左に動かすと、街明りで明るくなった星空の明るさを抑えることができます。
ハイライトを-30にした場合の、処理後の例題画像とヒストグラムを下に示します。
ヒストグラムを見ると、右側1/3ほどの領域が変化しています。
かなり輝度の高い(明るい)部分だけが暗くなるようです。
さらに最も高い(明るい)輝度が255ではなくて少し低くなっています。
またシャドウの場合と同様に各輝度のピクセル数が複雑に分布しています。
上の操作の大まかな部分だけをトーンカーブで再現してみました。
入出力関係(処理後の輝度関係)は、輝度の高い領域だけが右下の方向に引き下げられています。
そして最も高い(明るい)輝度は247になっていました。
3.4 CameraRaw シャドウ,ハイライト
最後に、シャドウとハイライトを同時に操作してみます。
シャドウを30,ハイライトを-30にした場合の、処理後の例題画像とヒストグラムを下に示します。
上の操作の大まかな部分だけをトーンカーブで再現してみました。
入出力関係(処理前後の輝度関係)は、大まかに言って逆S字型になっています。
これはコントラストを低くする操作です。
でも単純な逆S字ではなくて、中間値127は131と少し明るくなっていました。
思い描いた諧調の割り振りをトーンカーブで作れれば良いですね。
でも私にはできそうもないので、フォトショップのいろいろな機能を使いながら諧調の割り振りを目指そうと思います。
幾つかの機能を実験で調べて、少しは知見を得ることができました。
でも使い分けはまだまだできそうになく、結果オーライが続きそうです。
意外と「結果オーライ」が最強のテクニックなんでしょうかね(苦笑)。
結果オーライと謙遜されていますが、理屈がわかっていないと出せられない結果だと思いますよ。逆にPSで星野を追求するなら、その辺の理屈がわからないと良い結果が出ないと思います。良い研究をされていますね。
結果オーライは私のようなLR使いですね。あれは視覚感覚で動かす奴でが、私みたいにLRで星野に挑もうなんてのは100年早そうです。
ところで、私は一応取説上では理解したものの、ハイライトシャドウと白レベル黒レベルの使いどころが分からないでテキトーに動かして結果オーライ(LRでの話)にしているのですが、この辺の扱い方(理屈)はやまねももんがさんの夏の研究対象になるでしょうか?
私は天の川星景において、ハイライトを左に、白レベルを右に動かすのが好きなのですが、これって間違った使い方をしているかもで、いつかやまねももんがさんから叱られるのではないかと、ビクビクしながら現像しているのです(笑)