2015.01.17 Saturday
星野写真(60Da、100mm) オリオン座領域1
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「オリオン座領域1」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M42 : 散光星雲(オリオン大星雲、NGC1976)
・M43 : 散光星雲(NGC1982)
・NGC1973 : 散光星雲 (Running Man Nebula) 星雲の中にある散開星団はNGC1977
・NGC2024 : 散光星雲 (燃える木星雲)
・NGC2023 : 反射星雲
・IC434 : 散光星雲
・B33 : 暗黒星雲 (馬頭星雲)
・M78 : 散光星雲(ウルトラマンの生まれ故郷、NGC2068)
・Sh2-276 : 散光星雲 (バーナードループ)
・LDN 1622 : 暗黒星雲
撮影日時 : 2014/12/26 22:29〜 360sec×18コマ
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約-8℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
ガイド : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(CD)、透明度(C)、フォーカス(B) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
全天で最も華やかとも言える領域です。
バーナードループを入れるために、主役は少し右に寄ってもらっています。
明るい星雲ももちろん楽しいですが、この領域は濃い分子雲が分布していてそちらも凄いです。
私の写真で、赤茶色のもやもやしたものが分子雲です。
ほとんど全ての星雲が繋がっていて、近くに明るい星があると明るい星雲として輝いているように思えます。
その分子雲を浮かび上がらせるために、かなり強めのコントラスト強調を行い、またかなり派手めに仕上げています。
私としては総露光時間はかなり長いのですが、これだけ強い処理を施すと画像がざらついてしまいますね。
撮影地は南側が少し明るいので、背景の明るさに偏りが生じてしまいます。
グラデーションマスクを使って背景の明るさやコントラストを補正していますが、
なかなか満足いくようには出来ません。
コントラスト強調処理を施すたびに偏りが見えてきて補正する、ということの繰り返しでした。
また多段露光を行なっていないので、M42は白とびしています。
前回に比べて前進した部分と後退してしまった部分があって、微妙な結果になりました。
→ 前回の撮影
次のシーズンはどうしようかなあ?
M42、M43、NGC1973、NGC1981 (ピクセル50%表示で切り抜き)
多段露光をしていないので、恥ずかしい画像ですねえ(苦笑)。
M42は有名な「オリオン大星雲」です。
中心部はとても明るいので、白とびしています。
周囲に淡くもやもやした分子雲が広がっていて、その一部がM42として輝いているようです。
M43は鳥の頭のようにも見える星雲で、M42の一部のように見えますね。
その上にある青っぽい星雲がNGC1973です。
内部の少し赤っぽい部分が人が走っている姿のようにも見えるので、
ランニングマン星雲と呼ばれています。
私の画像ではちょっと分かり難いですね。
IC434、馬頭星雲、NGC2024 (ピクセル50%表示で切り抜き)
B33は暗黒星雲で、その形から「馬頭星雲」と呼ばれています。
その背後にあって赤っぽく輝いているのがIC434という番号が付いている散光星雲です。
淡い部分はかなり広がっていて、M42などと一体になっているように見えます。
強いコントラスト強調をしているので、馬頭星雲が明るい星雲に食われて
形が歪んでしまったようです。
アルニタク(三ツ星の一番左側の星)の左側にある散光星雲がNGC2024で、
その姿から「燃える木星雲」と呼ばれています。
M78 (ピクセル50%表示で切り抜き)
M78はウルトラマンの故郷として有名ですね。
周りに暗黒帯が見えています。
バーナードループを挟んで左上に見える暗黒星雲にはLDN 1622という番号が付いています。
オリオン座領域2(2014.10.25に撮影)と繋げてみました。
※ 誤記の訂正(2015.02.05)
「LDN 1662」は「LDN 1622」の間違いでした。
M78は白くて面白くない星雲だと思っていましたが、ここを含む切り出しの写真はなかなか面白いと思いました。星雲と星団の重なりが私のツボにハマります。
前回のナチュラル仕上げ(?)よりも、今回のような派手と分かっている領域はより派手にやった方が見応えあると思います。その時のコンセプト次第ってところでしょうか。
コントラストアップの代償を如何に低減させるか?奥が深すぎて頭がこんがらがってしまいます。
それにしても前回と今回の構図は殆ど同じですね。この場合は前回の座標を記録していてレンズを向けているのですか?まさか勘?