2015.12.24 Thursday
星野写真(60Da、100mm) カシオペア座領域3
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「カシオペア座領域3」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・NGC869,884 : 散開星団(二重星団、Caldwell Object C14)
・IC1805 : 散光星雲 (ハート星雲)
・IC1848 : 散光星雲 (ソウル星雲、胎児星雲)
撮影日時 : 2015/12/16 21:22〜 360sec×20枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約0℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
ガイド : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(BC)、透明度(BC)、フォーカス(B) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域には、大きな散開星団と散光星雲があります。
散開星団は同じような明るさのものが2つ並んでいて、”二重星団” と呼ばれています。
ペルセウス座に位置しますが、カシオペア座からたどったほうが探しやすいと思います。
散光星雲も大きなものが2つ並んでいて ”ハート&ソウル” と呼ばれています。
この画角だとそれらを一緒に収めることができ、しかもそれぞれが大きいので見応えがありますね。
この散光星雲は存在だけなら簡単に写せますが、諧調豊かに仕上げようとすると案外と手強いです。
色合いも赤一辺倒ではなくて青の成分もあるようです。
この領域は秋の銀河(天の川)の中なので、微光星がびっしりです。
そして所々に暗黒帯がうねうねしています。
たっぷり露光したので、ついついコントラスト強調をやり過ぎたようです。
でもまあ、前回(2014.12.18)は控え目に仕上げたので、今回はこれで良いかなと思っています。
→ 前回はこちら
フォーカスはまあまあ追い込めましたが、星像が大きくなってしまいました。
シーイングが悪くて星の瞬きが大きかったのですが、この焦点距離でも影響が出るのですかね?
二重星団 (ピクセル50%表示で切り抜き)
とても大きくて密集度も高い散開星団です。
双眼鏡で見るととても綺麗ですよねえ。
昔は恒星と思われていたようで、
西側の星団にはh、東側の星団にはχのバイエル符号が付けられていました。
私はhχ(エイチ・カイ)という名前で教わりましたが、今はそう呼ばないのでしょうか?
写真では、右斜め上の方向に並ぶ星の列が目立ちます。
星雲をしっかり浮かび上がらせようとすると、星像が潰れてしまいます。
青い星に混ざってオレンジ色の星が点在しているのがきれいなのですが、表現できませんでした。
IC1805 (ピクセル50%表示で切り抜き)
大きな散光星雲で、その形から「ハート星雲」と呼ばれています。
輪郭の部分が特に星雲として目立っているのですが、ちょっと変わっていますね。
ちょうど真ん中付近に散開星団がありますが、IC1805は星雲とこの散開星団の番号のようです。
星雲の左端にもNGC1027という散開星団があります。
星雲の右上の特に明るい部分は「IC1795」という別の番号が付けられています。
写真星図を見ていたら、マフェイという銀河があるのに気が付きました。
右の矢印が「Maffei-1」、左が「Maffei-2」で、楕円銀河です。
マフェイはかつては私たちの局部銀河群の銀河と考えられていました。
現在は独立した銀河群で、局部銀河群から最も近い銀河群だそうです。
IC1848 (ピクセル50%表示で切り抜き)
これも大きな散光星雲で、その形から「Soul Nebula(胎児星雲)」と呼ばれています。
言われてみると納得できますが、不思議な姿の星雲があるものですね。
赤一辺倒ではなくて青い成分もあるようで、微妙な色合いの表現は難しいです。
とても贅沢な構図ですね。
赤い大きな星雲に二重星団、散りばめられた微恒星に暗黒帯。ずっと見入ってしまいますよ。
マフェイ銀河群、初めて知りました。私の画像にももしかして・・・と思い、確認したら写ってました。
ちょっとうれしかったです(笑)