2016.07.22 Friday
星野写真(60Da、100mm) やぎ座領域1
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この 「やぎ座領域1」 には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M75 (NGC6864) : 球状星団 ※ 星座としては ”いて座” に位置します。
撮影日時 : 2016/07/10 02:04〜 240sec×13枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+15℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
追尾 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・Deep Sky Stacker : コンポジット
・StellaImage6.5 : デジタル現像
・FlatAide-Pro : シェーディング補正
・Photoshop 2020 : コントラスト調整、色合い調整、等々
・StarNet++2
・Nik Collection (Dfine 2)
空の暗さ(C)、透明度(BC)、フォーカス(AB) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は10.0等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域は ”やぎ座” と ”いて座” の境界付近です。
" いて座" と言っても銀河(天の川)からかなり離れていて、実質的には秋の星座の領域ですね。
「M75」 は ”やぎ座” に位置するとばかり思っていたので 「やぎ座領域1」 としたのですが、
実は ”いて座” に位置していました(苦笑)。
「M75」 は天の川銀河内のメシエ天体の中では最も遠い天体だそうです。
そのためにとても小さくて、試写画像をモニターで見ても球状星団とは分かりませんでした。
ちなみに 「M54(球状星団)」 は天の川銀河の外の矮小銀河にあって、もっと遠いです。
この画角だと 「M75」 よりも、中央付近にある赤い星のほうが目に付きます。
星図には 「RT」 と記されていましたが、これが星の名前でしょうか?
これは 炭素星 だそうですが、この色は写真ではとても目立ちますね。
対象が球状星団だったこともあって、1枚当たりの露光時間は控え目にしました。
夜半前に1時間以上も曇られてしまったこともあって、総露光時間が1時間弱になってしまったのが残念です。
地平高度の違いによる色ムラがどうしても補正できなかったので、「FlatAidePro」 の手を借りました。
M75 (ピクセル100%表示で切り抜き)
密集度が非常に高い球状星団だそうです。
非常に小さいので、ピクセル100%で切り出してみました。
それでも球状星団には見えませんね(苦笑)。
ところで記事中のM54について「おや?」と思ったので、愛用のアストロアーツ「メシエ天体アルバム」2004年発行をみると、M75より近い49000光年となっています。
さらにネットのWiKiを確認すると、こちらの記事にある通り、系外伴銀河内の星団で、M75より遠方の87400光年となっていました。
WiKiの記事から考えると「メシエ天体アルバム」は発行時点よりもずっと古いデータに基づいているようですね。
最先端の観測でデータが日々更新される現代では、出版物のデータをどこまで信頼してよいのやら。