星空が好き、猫も好き

星空がきれいな晩はどこかへ出かけたいなあ
ときどき猫ブログや宇宙物理学のブログになります
星空や猫だけでなく、風景や草花などの写真を撮るのも好きです

<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

<< 西の空に傾いた夏の大三角 | TOP | 昇ってきたオリオンとヒアデス・プレアデス >>

2016.10.16 Sunday

光害カットフィルターの再考

0

    100mmレンズによる星野写真シリーズでは、カメラは「EOS-60Da」を使い、光害カットフィルターは使わずに撮影しています。

    でもしばらく前から、赤い星雲の淡い部分の写りが悪いなあと感じていました。
    最初はカメラの特性や処理のせいだろうと思っていたのですが、、、。
    もしかして光害カットフィルターを使っていないせいでしょうか?

    そこで以前に撮影した画像を引っ張り出して検討してみました。
      ・フィルターは LPS-P2(FF)
      ・フラット補正やダーク減算は無し
      ・Raw現像 : CameraRaw8.5、プロファイルは CameraNeutral、色合い調整のみ


    フィルター無し  8分露光、2014/09/22、みずがき山自然公園にて


    フィルター有り(LPS-P2(FF))  8分露光、2013/09/28、みずがき湖にて


    撮影場所も撮影日も違うので厳密な比較はできませんが、今回の比較ではフィルターを使ったほうが明らかに赤い星雲のコントラストが高いように見えますね。
    実は星野写真シリーズを始める前にもちょっとした比較をしていました。 → こちらの記事
    その時はフィルターを使った場合の露光時間を2倍にしたのですが、2倍も必要ならフィルター無しでたっぶり露光したほうが良いと判断したのです。


    それでは次の3か所に関して詳細に比較してみましょう。
      A : 星雲の濃い部分
      B : 星雲の淡い部分
      C : 背景



    四角い部分(75×75)のヒストグラムを下に示します。
      ・上の段がフィルター無し、下の段がフィルター有り
      ・左からA,B,C



    背景(C)の色合いが同じになるように調整していますが、フィルターを使ったほうが赤い星雲の領域(A,B)は赤が強いですね。
    このRGBのバランスの差が星雲の領域の色合いの違いになっているのだと思います。


    赤い星雲の領域の明るさは、背景の明るさに赤い星雲自体の明るさが加わったものと考えられます。
    逆に言うと、赤い星雲の領域の明るさから背景の明るさを引き算してやれば、赤い星雲自体の明るさが分かるはずです。
    そこでR成分に関して、ヒストグラムの平均値を使って計算してみました。
      領域A(星雲の濃い部分)
        ・フィルター無し 164−122=42
        ・フィルター有り 138−73=65
      領域B(星雲の淡い部分)
        ・フィルター無し 143−122=21
        ・フィルター有り 106−73=33

    星雲の濃い部分でも淡い部分でも、星雲の明るさ(R成分)自体はフィルターを使ったほうが明るくなっているじゃないですか!
    これはどうしてでしょう?

     
    私はずっと以下のように考えていました。
     
    星空写真の明るさは次の3つの成分からなると考えられます。
      (1) 夜空の明るさ(主に地上の明りに起因する空の明るさ)
      (2) 星空(地球外)の背景の明るさ(星雲などに着目すると天の川などの明るさもこれに分類される)
      (3) 星雲自体の明るさ
    画像例での背景の明るさは(1)と(2)の和になると考えられます。

    光害カットフィルターを使うと、それぞれの明るさの一部がカットされます。
    カットされる程度は、光源のスペクトル(特に連続スペクトルと基線スペクトルの違い)とフィルターの特性で決まります。

    (1)の成分が効率良くカットされると、背景((1)と(2)の和)と星雲自体の明るさ(3)との比が大きくなるので、星雲のコントラストが高くなるのはよく分かります。
    でも、星雲自体の明るさ(3)はフィルターを使うことで減少することはあっても増大することはないと思うのですよね。

    でも画像例の結果を見ると、私はどこかで勘違いをしていたようです。
    どこが間違っているのかなあ?
    そして、これからの星野写真の撮影はどうしましょうかね。


     








    コメント

    こんにちは。
     最初に表示されているヒストグラムの山の位置を比べると、
    単に全体の明るさが違うだけのようにも思えますけど、領域別
    のヒストグラムを見ると明らかに赤の成分に違いが有りますね。
    数字にもその違いが出ていますね。
    フィルター有りと無しの画像をレベル調整で切り詰めていくと、
    無い方は青っぽい赤になるのに、有りは赤が濃くなります。
    よく分かっていないのでなんともコメントできないのですが(汗)

    しかし、同じ露出時間でこんなにも差が出るとは、驚きです。
    私も同じ理由で光害カットフィルターを使わなくなったので、
    もう一度試してみようと思いました。
    2016/10/18 12:54 AM by ヤマボウシ
    >ヤマボウシさん、おはようございます。

    光害カットフィルターはなかなか奥が深いですね。
    というより私の抱いていたイメージがどうも正しくなかったようで、ちょっと困惑しています。
    星雲の赤の色合いが異なるのはRGBそれぞれの比率が違うからでしょうね。
    フィルターを使うとR成分が他より強くなるので赤みが強くなると思います。
    フィルター有無の差は、街明りの影響がより強い低空だともっと大きくなる気がしています。
    2016/10/18 4:44 AM by やまねももんが
    昨日からこの記事のこと考えてます(笑)
    とはいえ、ぼーんやりですけど。

    「星雲自体の明るさがフィルタを使うことで増大」に関してですが、
    これは記事のような引き算で求められるものなのですか?

    たとえば、領域Cを「超理想的なフラット画像」だとして領域AやBを
    フラット処理したと考えたら、とか、すごくグルグル考えてますよ!
    もー、全然わからん!
    2016/10/18 10:30 PM by ミッチー
    >ミッチーさん、おはようございます。

    はい、ミッチーさんの疑問はもっともだと思います。
    今回は単なる引き算で片付けてしまいましたが、本当はもっといろいろなことを考慮しないといけないでしょうね。
    そのあたりに落とし穴があるような気がしているので、あまり悩まないで下さいよ〜。
    ということで、そのうちフィルターをきちんと使ってみようかなと思っています。
    2016/10/19 6:45 AM by やまねももんが

    コメントする









    この記事のトラックバックURL

    http://kai-kuu.jugem.jp/trackback/1872

    トラックバック

    ▲top