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星空がきれいな晩はどこかへ出かけたいなあ

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2017.11.22 Wednesday

星野写真(60Da、100mm) オリオン座領域3

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    60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
    メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。


    この「オリオン座領域3」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
      ・Sh2-264 : 散光星雲(エンゼルフィッシュ星雲)
          「エンゼルフィッシュ」と言うよりは「マンボウ」に見えます。
      ・vdB 38 : 反射星雲(エンゼルフィッシュの餌)







      撮影日時 : 2016/02/10 20:33〜  300sec×23枚
      撮影場所 : 山梨県・みずがき湖  気温は約−7℃

      撮影日時 : 2017/11/16 00:54〜  360sec×26枚
      撮影場所 : 山梨県・みずがき湖  気温は約−1℃

      カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
      フィルター : 無し
      レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
      ガイド : EM11(ノータッチ)
      処理
        ・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
        ・CameraRaw9 : Raw現像
        ・DSS : コンポジット
        ・StellaImage6.5 : デジタル現像
        ・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
        ・Nik Collection (Dfine 2)

      空の暗さ(CD)、透明度(BC)、フォーカス(B) 5段階評価  2016/02/10
      空の暗さ(B)、透明度(B)、フォーカス(B) 5段階評価  2017/11/16


    StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)




    ステラナビゲータ(Ver9.2)では、エンゼルフィッシュ星雲の最も濃い部分しか表示されないようです。
    ここは「エンゼルフィッシュの背びれ」と呼ばれているところでしょうか?

    エンゼルフィッシュ星雲は非常に淡くて、試写画像をカメラのモニターで見ても殆ど分かりません。
    でも幸いなことに非常に明るい2つの星があるので、構図は決めやすいです。
    それにしてもとても大きくて、100mmレンズでもギリギリですね。


    今回は夜半過ぎに撮影できたので、夜空の状態はかなり良かったです。
    途中で薄雲の通過等があってロスしましたが、撮影を延長してたっぷり露光しました。

    処理の途中で方針を変更して、2016年の撮影のものを含めて仕上げることにしました。
      → 2016年の撮影はこちら
    その効果のほどは明確ではありませんが、淡い部分のざらつき等はだいぶ改善したかなと思っています。

    なお構図が少しずれていたために、横方向を3%ほど、縦方向を2%ほど、トリミングしています。


    エンゼルフィッシュ星雲の右半分は、なんとか炙り出すことができたと思います。
    でも左半分は厳しいですね。

    エンゼルフィッシュ星雲の右側は、縁に沿って分子雲のようなものが見られます。
    今回はこれがざらつかないように仕上げたつもりですが、ノイズリダクションをかけすぎた感もありますね。

    一方で星雲の左側は縁に沿って少し暗いです。
    単純にコントラスト強調をしていくと、この部分がどんどん暗くなってしまいます。
    そこで処理を比較明で重ねることでそれを回避しました。

    写野の左上隅は銀河(天の川)なので微光星がびっしりです。
    星雲をあぶり出すことと、この部分の星が自己主張しすぎないようにすることも苦労しました。

    いつもながらベテルギウスの周りに大きくオレンジ色のハローが出来てしまいました。
    うまく消せないので、そのままにしてあります。
    これをある人は「エンゼルフィッシュのフン」と呼びましたね。
    ちなみに、超新星爆発とは全く関係ありませんよ〜。


    エンゼルフィッシュの背びれ (ピクセル33%で切り抜き)

        一見のっぺりと見えるエンゼルフィッシュ星雲にも濃淡があります。
        魚の背びれに当たる部分が最も濃いです。
        そこで最近では「エンゼルフィッシュの背びれ」なんて呼ばれたりしています。
        その中にかなり淡いですが、青っぽい星雲?があるような気がします。
        背びれのすぐ上が暗いのは暗黒星雲があるためですが、私の画像では赤っぽくなってしまいました。




    vdB 38 (ピクセル33%で切り抜き)

        エンゼルフィッシュの口元の下に紫色?の反射星雲があります。
        これを最近では「エンゼルフィッシュの餌」と呼んでいるようです。
        さらにその下には、もやもやと分子雲?が見えています。




    Cr.69 (ピクセル33%で切り抜き)

        星雲の中心付近に少し明るい青白い星がいくつかあります。
        星図にはこの付近に「Collinder 69 (CR 69)」という散開星団が記載されていますが、
        これらの星でしょうか?




    参考までに、下の画像はコントラスト強調等の処理をする前の状態です。
      Raw現像で背景の色合いをグレーに調整しただけです。
      ヒストグラムのピークの輝度は103付近です。





    15:46 | 旧版 | comments(2) | - | - | - |







    コメント

    こんにちは。
    見事なエンゼルフィッシュですね。星も前回よりきれいなのでは?
    元画像と比べてベテルギウスとベラトリクスの膨張ぶりから
    どれ程強調したか想像できます。そのままだと微恒星に埋もれて
    しまったでしょうね。3時間近くの露光にしてようやく浮かぶとは
    エンゼルフィッシュは幻の魚ですね。
    2017/11/23 12:33 PM by ヤマボウシ
    >ヤマボウシさん、こんにちは。

    最近は星像にかなり気を使うようにしています。
    でも星を肥大化させないで星雲だけを強調するって、私には無理ですね。
    結果はベテルギウスを見て頂ければ一目瞭然で、凄いことになっているでしょ。
    もう居直って、これが私のスタイルなんだと言っちゃいます(苦笑)。
    でも総露光時間を長くしていくと、画像の腰の粘りみたいなものが違ってきますね。


    2017/11/23 4:15 PM by やまねももんが

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