2018.04.25 Wednesday
星野写真(60Da、100mm) かみのけ座領域3
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「かみのけ座領域3」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M58(NGC4579) : 系外銀河 (棒渦巻銀河)
・M59(NGC4621) : 系外銀河 (楕円銀河)
・M60(NGC4649) : 系外銀河 (楕円銀河)
・M84(NGC4374) : 系外銀河 (渦巻銀河/楕円銀河)
・M85(NGC4382) : 系外銀河 (レンズ状銀河)
・M86(NGC4406) : 系外銀河 (楕円銀河)
・M87(NGC4486) : 系外銀河 (楕円銀河) おとめ座A(中心からジェットを噴出している)
・M88(NGC4501) : 系外銀河 (渦巻銀河)
・M89(NGC4552) : 系外銀河 (楕円銀河)
・M90(NGC4569) : 系外銀河 (渦巻銀河)
・M91(NGC4548) : 系外銀河 (棒渦巻銀河) M91は諸説あるがNGC4548が有力らしい
・M98(NGC4192) : 系外銀河 (渦巻銀河)
・M99(NGC4254) : 系外銀河 (渦巻銀河)
・M100(NGC4321) : 系外銀河 (渦巻銀河)
撮影日時 : 2014/03/23 22:34〜 360sec×12枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約3℃
撮影日時 : 2018/04/09 23:02〜 240sec×21枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約4℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
赤道儀 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw9: Raw現像
・DSS : コンポジット
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩強調
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
・FlatAidePro
・Nik Collection (Dfine 2)
空の暗さ(B)、透明度(C)、フォーカス(B) 5段階評価 2014/03/29
空の暗さ(BC)、透明度(B)、フォーカス(BC) 5段階評価 2018/04/09
StellaNavigator での写野 (銀河がとても多いので、メシエ天体だけを表示しています。)
かみのけ座とおとめ座の境界付近です。
明るい星が無いので構図決めに苦戦しました。
しし座のしっぽの先のβ星(デネボラ)を目印としてだいたいの位置を決めて、おとめ座のε星を写野に入れてからずらしていきました。
メシエ番号の付いた銀河だけでも14個もあって、とても楽しい領域です。
メシエ番号のもの以外にも、たくさんの系外星雲が写っています。
この焦点距離では系外銀河に対して全くの力不足ですが、明らかに恒星とは違って見える天体があちこちに見つけることができてとても楽しいです。
全体的には少し春霞の星空でしたが、天頂付近は意外に暗かったです。
試写のヒストグラムからは露光は6分ほどかけられそうでしたが、4分にしました。
ときどき強い風が吹くので、ぶれて使えないコマが出ることを想定して枚数を稼ぎたかったからです。
結果的には使えないコマはあまり無かったので、この判断が裏目に出たかもしれません。
前回(2014年)に撮影した画像も使って処理しました。
→ 前回はこちら
それぞれをコンポジットしてグラデーションマスクを使ったかぶり補正を施してから、明るさを合わせてコンポジットしています。
それからは通常の処理で仕上げています。
それぞれの構図が少しずれていたので、横方向が約96%、縦方向が約94%のトリミングになっています。
前回は銀河のディテール表現は諦めて、大きさや形を分かりやすくするような方向で画像処理をしました。
今回は銀河のディテールを少しは表現したいと思って、少し控え目に仕上げています。
だから写野全体を見れる倍率で表示すると、どうしても物足りなさを感じてしまいますね。
総露光時間がかなり長くなったので、背景が滑らかになるのを期待したのですが、期待ほどではありませんでした。
コントラスト強調を重ねていくと、色ムラがひどくなるのですよね。
この色ムラは気になる時とそうでない時があるのですが、正体は一体何なのでしょう?
今回は銀河のディテールよりも背景のほうを気にして作業をしていました。
複数の銀河を一緒に切り出したいので、今回は少し小さ目に切り出しました。
M58、M59、M60、M89、M90 (ピクセル50%表示で切り抜き)
メシエ番号の付いた銀河が5つも写っています。
M58は棒渦巻銀河、M90は渦巻銀河、他の3つは楕円銀河です。
それ以外にも小さな銀河が複数写っていますね。
M84、M86、M87 (ピクセル50%表示で切り抜き)
M84とM86から始まる弓状の銀河の並びは
マルカリアンの銀河鎖(Markarian's Chain)と呼ばれています。
M87は巨大な楕円銀河で、おとめ座銀河団の中心に位置しています。
これらが楕円銀河でなく渦巻き銀河だったら壮観でしょうね。
M85 (ピクセル50%表示で切り抜き)
レンズ状銀河は、渦巻銀河と同じような凸レンズ状のディスク構造を持っていますが、
渦状腕などの円盤部がありません。
M88、M91 (ピクセル50%表示で切り抜き)
M88は渦巻銀河で、M91は棒渦巻銀河です。
M91は、メシエ天体の中で位置が分からないものの一つです。
諸説があるようですが、ここではNGC4548をM91としています。
M98、M99、M100 (ピクセル50%表示で切り抜き)
M98は渦巻銀河で、斜めから眺めていることになります。
M99はフェイスオンの渦巻き銀河ですが、何やら腕が一本だけ目立っていますね。
M100もフェイスオンの渦巻き銀河で、こちらはきれいな姿をしていますね。
が、いつもながら感動はしますね〜。
写真展で作品を間近で鑑賞できる方たちはしあわせです。