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2020.09.17 Thursday

宇宙物理学  系外惑星

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    ***** 宇宙の構造 (2) 天の川銀河内 > 系外惑星 *****

    系外惑星とは太陽系以外の惑星のことだ。
    観測技術の進展によって、いろいろと面白いことが分かってきた。
    これを機会に太陽系を見直すと、当たり前だと思っていたことがそうではなかったことに気づく。

    NASAのこのサイトが面白い → こちら

    ただし(当たり前のことだが)、どうしても見つかりやすいものから見つかっているので、まだまだサンプルが偏っていることを忘れてはいけない。



    惑星を持つのは当たり前

    2009年に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡は、トランジット法で数千個もの新しい系外惑星を発見した。
    それによって、系外惑星の統計的な性質がいろいろと分かってきた。
      ・恒星は少なくとも1個以上の惑星をもつようだ。
      ・ハビタブルゾーンに地球くらいの大きさの惑星(ハビタブルプラネット)がある割合は、
         太陽型星だとだいたい2割(誤差は1割)程度
         太陽より温度が低い赤色矮星では5割(誤差は3割)程度

    ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)とは、主星からの距離がちょうど良く、表面に液体の水を保持できるような軌道のことだ。



    系外惑星の多様性

    発見された系外惑星を見ていると、何ともはやバラエティに富んでいてびっくりする。


    灼熱の巨大惑星(ホットジュピター)
    木星くらいの質量をもつ巨大惑星が、主星に非常に近いところを公転している。
    公転距離は0.05天文単位ほどしかなく、公転周期は数日程度だ。
    太陽型星の約1%弱はホットジュピターを持っている。
     
         画像はNASAのサイトからお借りしました。 → こちら

    極端な楕円軌道の惑星(エキセントリックプラネット)
    太陽系には存在しないが、宇宙にはありふれているそうだ。

    主星の自転と逆向きに公転する惑星(逆行惑星)
    2019年までに10個以上発見されている。

    主星から遠く離れた大質量の惑星(遠方巨大惑星)
    およそ20天文単位より外側には木星程度以上の質量をもつ惑星は存在しないと思われていた。
    数は少ないものの、巨大惑星が惑星系の外側の領域にも存在しうることが分かってきた。

    大きな岩石惑星?(スーパーアース)、小さなガス惑星?(ミニネプチューン)
    質量と半径において、岩石惑星である地球とガス惑星である海王星のあいだに位置する系外惑星が発見され、
    スーパーアースと総称されている。
    それぞれを、スーパーアース/ミニネプチューンと分類することもある。
    宇宙ではありふれた存在であることが分かってきた。

    生命を育むかもしれない惑星(ハビタブルプラネット)
    主星からの公転距離がちょうどよく、液体の水が表面に存在できるような領域をハビタブルゾーンと呼んでいる。
    ハビタブルゾーンの中にある岩石惑星をハビタブルプラネットと呼ぶ。
    しかし、実際に液体の水があるかどうかとは無関係で、観測によって調べてみないと分からない。



    7姉妹の惑星系
     
         画像はNASA/JPLのサイトからお借りしました。 → こちら

    この惑星系は、赤色惑星に特化したトランジット惑星探しを行う地上観測チームTRAPISTによって発見された。
    主星は太陽系から約40光年のところにある。
    なんと7つの惑星がトランジットしている惑星系であることがわかった。
    そして、7つのうち少なくとも3つの惑星がハビタブルプラネットだった。
    さらに、各惑星の質量と半径も観測で求められ、すべての惑星が地球とかなり近い質量と半径をもちことがわかった。
    この7つの惑星はすべて20日以下の周期で公転している。
    主星が超低温の赤色矮星なので、ハビタブルゾーンは公転周期がおよそ10日附近のところにある。

    この惑星系では、ハビタブルゾーンの中に3つも惑星があるだけでなく、ハビタブルゾーンより近いところや遠いところにも同じような質量と半径の惑星がある。
    つまり、ひとつの惑星系の中に灼熱の惑星から凍りついた惑星までもがあるということだ。
     
         画像はNASAのサイトからお借りしました。 → こちら



    惑星系形成論の見直し

    太陽系惑星とはまったく異なる多様な系外惑星が宇宙に存在していることが分かってきた。
    このような多様な系外惑星の成り立ちは、京都モデルではほとんど説明できない。

    そのため、太陽系惑星を標準として考えられてきた惑星系形成論は、大幅な見直しを迫られた。
    しかし、全てを説明できる新しい惑星系形成論はまだ完成していない。

    新しいモデルと従来の京都モデルの最大の違いは、惑星が内側や外側に動くことを許すがどうかだ。
    京都モデルでは、惑星は形成した場所から内側にも外側にも大きく移動しないことを仮定していた。
    それに対し新しいモデルでは、惑星が形成・成長しながら、あるいは成長し終えた後で動径方向に移動する可能性を考える。
    このように惑星の軌道が時間とともに変わっていくことを軌道進化と呼ぶ。

    新しいモデルではさらに、それぞれの惑星系の環境の多様性も考慮されている。
    環境の多様性とは、たとえば伴星の有無や、形成される巨大惑星の数などだ。
     
         画像は茨城大学のサイトからお借りしました。 → こちら



    太陽系は特別な存在か?

    太陽系は惑星系の標準ではない。
    太陽系は多様な姿をもつ惑星系のひとつに過ぎない、というのが現状の認識だ。

    では、太陽系のような姿の惑星系はめったにない特別な存在なのだろうか?
    それとも、普遍的に存在するありふれた惑星系なのだろうか?

    残念ながら、この問いにはまだ答えることができないそうだ。



    地球は特別な惑星か?

    ハビタブルゾーンにある岩石惑星という意味でのハビタブルプラネットは、宇宙で比較的ありふれた存在のようだ。
    2割程度の太陽型星と5割程度の赤色矮星が、ハビタブルゾーン付近に地球の2倍以下の半径の惑星をもつといわれている。
    この割合はやや楽天的で、誤差もあるし、すべてが岩石惑星ではないかもしれない。
    しかしハビタブルプラネットはある程度宇宙に普遍的に存在しているようだ。

    しかし、地球のように実際に生命を育む惑星が普遍的かどうかはまだ分からない、というのが現状のようだ。



    私は、現在私たちの住む地球環境が、奇跡的な状態の積み重ねで成り立っていると感じている。
    特別という表現は使いたくないが、普遍的に存在するありふれたものとはとても思えない。


     
    参考図書
      ・「地球は特別な惑星か?」、成田憲保、講談社ブルーバックス、2019年


     








    コメント

    最近読んだ経済学の本(ただし著者は長沼新一郎という物理学者)によると、経済学という学問の考え方の源流は同時代にニュートンが発見した惑星の規則的な運行が数式で説明できる”美しさ”に影響されており、それ故小さな現象を足し合わせれば大きな現象が説明できるという考え方を採るそうです。惑星に比べて圧倒的に質量が大きい恒星が支配する私たちの太陽系では各惑星の運行を足し算で説明できますが、この系は宇宙では珍しい部類なので経済学の根幹を揺るがしかねません(笑)。解析不可能な3対問題ですが、数が多くなれば統計力学で処理できる科学を参考に、現在、一部の経済学者に限るようですがミクロ経済学とマクロ経済学をつなげる研究がなされているようです。
    2020/09/18 11:15 AM by 北杜の犬
    >北杜の犬さん、おはようございます。

    いろいろと勉強なさっていますね。
    物理学では新しい考えを提案しても、それが観測や実験などで検証されないと認められないそうです。
    まあ最近は多宇宙やプレーンワールドなど、それができそうもない考えがたくさん提案されていますが、、、。
    経済学もそのような壁があるようで、そのあたりはどうするんでしょうね?
    2020/09/19 3:48 AM by やまねももんが

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