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2020.09.23 Wednesday

宇宙物理学  閑話休題 (2) 現代物理学は厄介だ!

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    ***** 閑話休題 *****

      無謀にも、次回から基礎物理学編として、相対論と量子論に挑戦します。
      その前に、いろいろと言い訳を、、、。


    近代物理学と現代物理学

    19世紀の終わりには、力学や電磁気学をはじめとして身の回りの自然に関する物理学はほぼ完成したと思われていた。
    しかし20世紀になって、まったく新しい2つの物理学である「相対性理論」と「量子論」が誕生し、自然の描像が一変した。
    そのため、19世紀までの物理学を「近代物理学」と呼び、20世紀以降の物理学を「現代物理学」と呼んで、明確に区別することがある。
     

    また、量子論以外の物理学を「古典物理学」と呼んで区別することもある。
    ただし物理学者が古典的という言葉を使う場合、古代ギリシャで生まれたものという意味ではない。
    この括りでは、相対性理論は「古典物理学」になる。
    未来が一通りに決まってしまうという古典物理学の性質は量子論では失われてしまい、大きな違いがあるからだ。
    しかし「重力場」という概念を拡張し、実際の3次元空間が曲がることを見出した点で、相対性理論が革新的であったことは間違いない。


    どこで線を引くにせよ、物理学者たちは20世紀前半に強烈なパラダイム・シフトに襲われたわけだ。
    学校の教科書には載っていないが、物理学者とて、もがき苦しんだことだろう。
    でもそれを乗り越えることができたから、20世紀後半からの宇宙物理学の目覚ましい発展があるのだと思う。

    私はそんな宇宙物理学を勉強しようとしているのだが、パラダイム・シフトを意識した記憶がない。
    知らず知らずのうちに、乗り越えたのだろうか?
    それとも、乗り越えておらずに、昔のパラダイムの中にいるのだろうか?



    現代物理学がちっとも頭に入らない!

    宇宙物理学において、以下の基礎理論は特に重要だと思う。
      ・相対性理論
      ・量子力学
      ・素粒子論

    しかし私は、中学の理科や高校の物理ではそれらを教わっていない。
    大学の一般教養で量子力学の初歩にちょっとだけ触れた記憶はあるが、、、。
    頭の柔らかいうちに、それらのエッセンスだけでも吸収しておきたかったですね。

    最近は宇宙物理学の分野でも、ブルーバックスなど、一般向けの本がたくさん出版されている。
    それらは、最初の方で基礎理論をやさしく解説してくれているものが多い。

    でも最初の頃は、最後まで読むことすらできなかった。
    途中で頭が拒否反応を起こしてしまうのだ。
    それでも何度も読んでいるうちに、最後まで読めるようにはなった。
    しかし、ちっとも頭に残っていないのだ。

    私は何も基礎理論の難しい式を使いこなせるようになりたいわけではない。
    そんなことはどうあがいても無理だ。
    ただ、現代物理学が描き出す自然(宇宙)の姿がちゃんとイメージできるようになりたいのだ。



    頭の回路を再配線しなければならない

    物理学者のブライアン・グリーンは以下のように言っている。
    アインシュタインの発見から100年を経た今日でさえ、相対性理論を直観レベルで理解できるという人は、プロの物理学者まで含めて、事実上一人もいない。
    相対性理論が理解できたからといって、生物としての生き残りに何か役に立つのかと問われれば、だれしも口ごもらざるをえない。
    私たちが日常経験する環境で起こることは、絶対空間と絶対時間というニュートンの間違った概念でみごとに説明されてしまう。
    だから人間の知覚が、相対性理論を感知できるような方向に進化することはない。
    そのため、この理論を深いレベルで納得し、正しく理解するには、頭を使って努力することで、知覚とのギャップを埋めなければならない。
    量子力学を直観的に理解できるように頭を訓練することは、相対性理論の場合よりもさらに難しい。


    物理学者のマックス・テグマークは以下のように言っている。
    進化の過程で私たちが獲得した直観というのは、私たちの遠い祖先が生き残るのに有益だった物理の側面だけを理解できるようにできている。
    実際、投げた石が放物線軌道を描くことは直観的に理解できるだろう。
    洞窟に住んでいた時代の女性が「物質は究極的には何からできているのだろう?」などという問いを真剣に考えていたなら、その女性は背後から近づくトラに気づくことができなかったかもしれない。
    そしてそのような女性の遺伝子は、残らなかったかもしれない。


    物理学者のレオナルド・サスキンドは以下のように言っている。
    私たちは直観的なレベルで力や速度や加速を感じる。
    すべての複雑な生物は生まれつき、あらかじめプログラムされた物理的な概念を持っていて、それが進化によって彼らの神経系へしっかりと組み込まれる。
    このあらかじめプログラムされた物理学のソフトウェアがなければ、生き残るのは不可能だ。
    突然変異と自然淘汰によって、私たちはみな(古典)物理学者になったのである。
    しかし20世紀に入ろうとする頃、直観が根底から崩れてしまった。
    進化論的な力がどんなに働いても、こうした根本的に異なる世界を直観的に理解できるようになることはありえない。
    私たちの脳に配線されている現実を対象とするモデルでは、光の本当の性質も、粒子の不確実な動き方も理解できなかった。
    それらを理解するためには、生まれつきプログラムされた神経回路を再配線しなければならない。


    彼らは、私たちの持っている直観や常識では「相対性理論」や「量子力学」などを理解できないと言っているのだ。
    さあ、どうしよう?
    頭がすっかり固くなってしまった今から、頭の訓練や思考回路の再配線などができるだろうか?
    基礎理論の数学を理解するのは端から諦めている。
    せめてそれらが示してくれる自然(宇宙)の姿だけでも頭に描けるようになりたいものだ。



    ニュートン力学の世界像

    それでは古典物理学の代表である「ニュートン力学」の世界像を見てみよう。


    「絶対空間」と「絶対時間」
    ニュートンはプリンキピアで、「空間と時間は宇宙にしっかりとした舞台を与える、絶対的で普遍な実体である」とした。
    物体は空間の中で運動や変化をするが、空間自体はまったく変化せず永久不変に存在している。
    時間というものは、過去から未来に一様に流れ、かつ宇宙のどこでもまったく同じ時間になっている。
    そして、それらは誰にとっても共通なものだ。
    ニュートンによれば空間と時間は、宇宙に形と構造を与える、目に見えない枠組みだったのだ。

    「速度合成の法則」
    互いに運動しているもの同士の相対速度は、それぞれの速度の足し算あるいは引き算で求められる。
    例えば、時速100Kmで走る電車を、時速40Kmで同じ方向に走る自動車から見れば、電車の速度は時速60Kmに見える。

    「万有引力の法則」
    あらゆるモノの間には、お互いに引き合う力が働いていて、その力は物体の質量とお互いの距離だけで決まる。
    万有引力は「遠隔作用」する力であり、「瞬時」に届く。


    私はこれらに違和感は全く感じないし、多くの人もそうだと思う。



    私の世界像

    それ以外に、私は以下のような世界像を持っている。


    [物理的実在]
    私たちの目の前に広がっている世界は物理的実体であり、私たちの存在とは独立したものだ。
    つまり、人間が観測しようがしまいが、あるいは人間がこの世にひとりもいなくても、変わらずに存在しているだろう。
    それらの物理的状態は、私たちが観測するという行為とは関係なく常に定まっていて、それらは原理的に予測可能である。


    [因果的決定論]
    少なくとも物質の運動や変化に関しては、あらゆる出来事はそれに先行する出来事だけによって決定される。
    そしてそのすべては自然法則で説明できる。
    つまり、今の状態を正確に把握できれば、過去の状態が正確にわかり、未来の状態が正確に予測できるということだ。

    ただし人間が絡んでくると、自然法則とは異なる要因が影響するのかもしれない。


    結局、私の世界像は古典物理学の世界像そのものであることがはっきりした。
    やはり、20世紀前半のパラダイム・シフトを乗り越えておらずに、昔のパラダイムの中にいるのだ。


     
    参考図書
      ・「宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体」、ブライアン・グリーン、(訳)青木薫、草思社、2004年
      ・「ブラックホール戦争」、レオナルド・サスキンド、林田陽子、日経BP社、2008年
      ・「数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて」、マックス・テグマーク、(訳)谷本真幸、講談社、2014年


     








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