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2012.05.17 Thursday

ダークノイズに関して (2) ノイズ低減機能

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    キヤノンのデジイチには、2種類のノイズ低減機能があります。
       ・長秒時露光のノイズ低減機能
       ・高感度撮影時のノイズ低減機能

    ダークノイズの観点から、この機能を使ったほうが良いのかどうかを実験してみました。
    テスト条件は、[20℃,ISO1600,300秒]です。



    長秒時露光のノイズ低減機能

    この機能は、単純に考えるとダーク画像を引き算しているのだろうけれど、詳細は明らかにされていません。
    でも、ダーク画像を見ていると真面目に?処理しているように思われます。
    アナログ信号を保持しておくのは困難なので、この処理はA/D変換後に行なっているのでしょう。
    また単純に引き算すると信号量がマイナスになったりしてしまうので、何らかのオフセットを加えていると推測されます。

    この機能は
       ・固定パターンノイズには有効です。
       ・しかしランダムノイズは増えてしまいます。
          ・ランダムからランダムを引き算すると、ランダム量は1.4倍(2の平方根)になってしまうのでは?



    高感度撮影時のノイズ低減機能

    この機能は、アナログ増幅回路(GCA)に関するノイズを低減する機能と思われますが、詳細は明らかにされていません。
    初期の機種(20Da等)では、この機能はありませんでした。



    各機種を比較する場合の注意点

    センサーアレイの周囲には遮光幕で隠された画素(ピクセル)が配置されています。
    この画素(ピクセル)からの信号は黒レベルとして使われ、明るさがゼロの基準になります。
    しかし、実際のデジタルカメラでそうしているかは分かりません。
    例えば、黒レベルを少し高く設定してやると、信号レベルの低いノイズ成分を切り捨てることができます。
    すると、黒つぶれぎみになりますが、低ノイズに見せることができます。

    各社,各機種がどのように設定されているかは分からないので、ダークノイズの平均値や標準偏差そのもので比較判断することはできないと考えています。




    20Da

    この頃のデジイチでは、右下に見られるアンプノイズと呼ばれる固定パターンノイズが顕著で、「長秒時露光のノイズ低減機能」を使うとこれをきれいに除去することができました。
    ダーク画像のヒストグラムで右側の裾のノイズの大きな部分がほぼ無くなっていますが、ここがアンプノイズだったと思われます。
    そして、平均値は大きくなっていますが、標準偏差はかなり小さくなっています。
    標準偏差が小さくなったのは、アンプノイズなどの固定パターンノイズが除去できたためです。
    しかしランダムノイズ量が増えてしまったので、平均値はかえって大きくなってしまいます。

    一方で横スジが目立つようになりました。
    固定的なパターンのように見えても、場所やノイズ量が変化していて、除去しきれないということでしょうか?


    20Da、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    20Da、長秒時露光時のノイズ低減をON




    KissX3

    20Daと比較すると、アンプノイズはほとんど見られません。
    「長秒時露光のノイズ低減機能」を使うと、ランダムノイズが増えてしまうという欠点だけが浮き彫りになってしまうようです。

    等倍画像で見られる赤色の派手なパターンは、1枚目と2枚目で同じように現れているので、固定パターンノイズのようです。
    その輝度は「長秒時露光のノイズ低減機能」でやや抑えられているように見えますが、除去しきれていません。
    ノイズ量がいつも一定ではないということでしょうか?

    そしてランダムノイズの増加が顕著で、平均値をかなり押し上げてしまいます。
    等倍画像では派手なパターンに目を奪われてしまいますが、全体にもやもやしたものが見えます。
    これがランダムノイズなのだと思います。

    一方で「高感度撮影時のノイズ低減機能」は、ダーク画像のヒストグラムでは平均値も標準偏差も大きくなってしまいます。


    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON



    中央部分の等倍画像を下に示します。

    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    KissX3、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON




    5DMark2

    5DMark2は少し意外な結果になりました。
    KissX3や60Daよりも、20Daに近い結果になったのです。

    「長秒時露光のノイズ低減機能」を使うと、ダークノイズの平均値は大きくなりますが、標準偏差は小さくなりました。
    ダークノイズのヒストグラムで、右側の裾に見られたノイズの大きな部分がほほ無くなっています。
    これは20Daではノイズアンプだったのですが、5DMark2ではおそらく等倍画像に見られる赤色や青色の派手派手のパターンだと思います。
    このパターンは以前はランダムノイズとばかり思っていたのですが、固定パターンノイズのようです。
    等倍画像の1枚目と2枚目で同じように現れているので、おそらく間違いないと思います。
    数画素(4〜10)の大きさがあります。
    しかし、「長秒時露光のノイズ低減機能」で除去しきれていません。
    ノイズ量等がいつも一定ではないということでしょうか?
    5DMark2は、この固定パターンノイズが大きいという結果になりましたが、本当でしょうか?

    一方で、等倍画像を見ると背景のもやもや感は少なくてすっきりしています。
    KissX3と比較するとよく分かりますが、ランダムノイズが少ないということが言えるようです。

    「高感度撮影時のノイズ低減機能」に関しては、KissX3と同じような結果になりました。


    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON


    中央部分の等倍画像を下に示します。

    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    5DMark2、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON




    60Da

    KissX3と同じような結果になりました。
    数値だけを見るととてもノイズが少ないですが、初めのほうに注意として書いたように、これだけでは判断できません。


    60Da、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    60Da、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    60Da、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON



    中央部分の等倍画像を下に示します。

    60Da、高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    60Da、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をOFF


    60Da、高感度撮影時のノイズ低減を標準、長秒時露光時のノイズ低減をON





    機種に関わらずに、「高感度撮影時のノイズ低減機能」はノイズの観点だけから見た限りではオフにした方が良いようです。
    「長秒時露光のノイズ低減機能」のテストでは、「高感度撮影時のノイズ低減機能」をオンにしたのですがオフにすれば良かったですね。

    「長秒時露光のノイズ低減機能」が有効かどうかは、固定パターンノイズとランダムノイズのどちらが支配的かで変わります。
    今回テストした条件よりもランダムノイズが少ない条件では、KissX3や60Daでも有効になるかもしれません。
    それは、より低いISO感度、より短い露光時間、より低温の条件です。
    逆に言うと、今回のテストはランダムノイズが支配的になりやすい条件過ぎたですかね。

     








    コメント

     うっ。文系脳にはいきなり難しくなってきました。家でもう一度じっくり読み込みます。
    2012/05/17 11:50 AM by 阪神ファンいっこう
    >阪神ファンいっこうさん、こんにちは。

    左脳の訓練と思って、ゆっくり読んで下さいね。
    いっこうさんは、ノイズ低減機能をどのように設定されていますか?
    2012/05/17 12:16 PM by やまねももんが
    こんにちは。
    知らなかった事ばかりで驚き桃の木山椒の木です。
    「センサーアレイの周囲には遮光幕で隠された〜」
    そうだったのですね。 ノイズを意図的に少なく見せる事もできるのですね。しかしやりすぎると、、、ってやつですね。
    この辺りの仕様は技術的にメーカーの極秘事項でしょうね。

    こうしてご自分で実証されるって凄い事だと思います。
    私は情報を鵜呑みにして「長時間露出の」はOFFにしています。 「高感度の」は私の機種にはついていません。

    前回の記事で改めて思ったのは、ダークも複数枚撮って平均化するべきだとの思いが強くなりました。

    今まで1〜2枚「撮っておけばいいだろう」的な感覚でいましたから。 コンポ枚数位は必要ですね。

    2012/05/17 1:38 PM by かたくちいわし
    >かたくちいわしさん、こんにちは。

    私自身も考察を進める中で、知らなかった事や思い違いをしていた事がいろいろ出てきました。
    改めて、こうやってリポートをまとめることの大切さを思い知らされました。
    だからと言って、内容に誤りや思い違いが無い訳ではないのでご注意を!

    ダークの扱いに関しては、頭を悩ませています。
    近いうちに記事にしたいとは思っていますが、、、。
    2012/05/17 3:02 PM by やまねももんが
    そうですよね。ダークフレームと言えども、こんなにランダムノイズがあるんですからね。ダークフレームはなるべくたくさんコンポジットして質の良いものを作りたいですね。

    やまねももんがさん、大変参考になります。ありがとうございました。
    2012/05/18 2:12 AM by まるこう
    >まるこうさん、おはようございます。

    先日はコメントを頂いた記事を非公開にしてしまって、本当にごめんなさい。
    星空写真は、暗い部分を明るく見せる処理を行なう事が多いので、ダークノイズも強調されてしまいます。
    ダークの扱いは、近いうちに記事にしたいと思っています。
    2012/05/18 5:44 AM by やまねももんが

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