星空が好き、猫も好き

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2013.03.03 Sunday

パンスターズ彗星をどう撮りましょうか?

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    パンスターズ彗星(C/2011 L4)の近日点通過まで、あと1週間になりました。
    いよいよですね。

    当初の予想ほどは明るくならないようですが、準備だけは整えておこうと思っています。
    3月上旬は南半球でも見えないでしょうから、情報が無いまま、いきなり本番に突入することになるのでしょうかね。

    尾に関しては、彗星と地球との距離があまり近くないので、残念ながらそれほど長くならないのではないかと言われているようです。
    それでも、南半球での写真では立派な尾が伸び始めた姿が、アストロアーツの投稿写真ギャラリーで見ることができます。


    とは言ったものの、冷静に分析(そんな大そうなものではありません)してみると、この彗星はかなり難物です。
    とにかく地平高度が低くて、さらに月明かりも邪魔しそうです。



    [夕方] 3月中旬〜下旬

    薄明中と言うよりは、日没直後と言ったほうが良いですね。
    しかも地平高度は10度以下です。

    日没から40分(及び60分)経った頃の地平高度は、山梨県北杜市の場合で以下のようになります。
      3/10  3.2度 (地平線より下)
      3/15  7.5度 (3.6度)
      3/20  9.2度 (5.6度)
      3/25  9.5度 (5.9度)
      3/30  9.3度 (6.1度)


    西から北西方向が非常に開けた場所でないと駄目です。
    そして、日没前に準備を整えて待ち構えていないと無理でしょうね。

    今の予報光度では、肉眼では見えないでしょう。
    双眼鏡を使えば見えるかもしれませんが、事前に位置を十分に把握しておく必要があります。

    この時期の最大の敵は、春霞や黄砂です。
    3月は暖かい日が多くなるという予報が出ているので、ちょっと嫌ですねえ。

    一方で、薄明中ですので、月明かりの影響は思ったよりも少ないかもしれません。
    3/20が上弦で、3/27が満月です。


    ところで、夕方のまだ空が明るい時間帯に、これだけ地平高度の低い彗星が撮影できるでしょうか?
    私は、ここまで条件の悪い彗星に挑戦したことはありません。

    夕方の薄明中に見たのは、ヘールボップ彗星ぐらいです。

    Hale-Bopp彗星  1997.03.24

     1997/03/24  18:57  FD24mm F1.4→2.0  固定撮影(1分)  FUJI SuperG ACE 400
     トリミング : 75%×75%  長野県 富士見町


    日没から23分後の18:25に、双眼鏡で確認できました。
    でも彗星の光度はマイナス等級と非常に明るく、地平高度も23度ととても高かったです。



    私が考えている撮影方法は以下のようなものです。
      ・100〜200mm程度の望遠レンズ
         ・できれば追尾撮影したいです。 (極軸は方位と高度をラフに合わせた程度で良いと思っています。)
            ・数枚をコンポジットしたいからです。
         ・場合によっては割り切って固定撮影にします。
      ・50mm程度の標準レンズ
         ・固定撮影(地上の風景も入れて、記念撮影的なもの)

      ・露光時間は、特に明るいうちはカメラ任せ(AE)でしょうかね。
         ・AEB機能を使って、露光時間を変えて撮影します。

    心掛けたいことは、
    液晶モニターで確認できなくても、薄雲等があっても、とにかく写しまくることです。



    [明け方] 3月下旬

    3月下旬は、夕方だけでなく明け方にも見えるようになります。
    空の状態や時間的な余裕などを考えると、明け方のほうがチャンスは大きいと思います。

    この時期は、夕方と同様に地平高度はとても低くて、薄明中と言うよりは、日の出直前と言ったほうが良いですね。
    地平高度はやはり10度以下です。

    北東方向が非常に開けた場所でないと駄目です。
    一方で、薄明中ですので、月明かりの影響は思ったよりも少ないかもしれません。
    3/27が満月です。

    日の出前40分(及び60分)の地平高度は、山梨県北杜市の場合で以下のようになります。
      3/25  2.7度 (地平線より下)
      3/27  5.5度 (2.3度)
      3/30  9.7度 (6.4度)


    2004年の4月に見られたBradfield彗星(C/2004 F4)に条件が近いですかね。 → 記事はこちら


    Bradfield彗星  2004.04.25

     2004/4/25  3:46  EF16-35mm(25mm) F2.8→2.8  露出60秒
     EOS Kiss Digital RAW、ISO-400  山梨県 高根町


    この日は、Bradfield 彗星(C/2004F4)と LINEAR 彗星(C/2002T7)を双眼鏡で探しましたが、両方共に全く分かりませんでした。
    もう天文薄明が始まっていて、やはり地平高度が低い(日の出60分前で10度以下)のが致命的なのかなあと思いました。
    でも、とにかくデジタル一眼レフカメラで撮影をして液晶モニタを見ました。
    すると、垂直方向に伸びる光のすじのようなものが見えました。
    まさか、彗星の尾??

    位置からするとBradfield 彗星(2004F4)です。
    地平高度は5度程度のはずで、まだ頭部は現れていません。

    やがて彗星の頭部が昇ってきて、写っていたのは本当に彗星の尾だったのです。
    この後、空はどんどんと明るくなっていきましたが、夢中でシャッターを切りました。

    Bradfield彗星  2004.04.25

     2004/4/25  3:59  EF100mm F2.8→2.8  露出58秒
     EOS Kiss Digital RAW、ISO-400  山梨県 高根町


    日の出は5:00だったので、日の出の60分前に撮影したものです。
    地平高度は7.3度で、彗星の光度は4〜5等だったでしょうか。
    双眼鏡では最後まで確認できませんでしたが、10度近くもあるダストの尾が写りました。

    3月や4月でも、ときどき冬型の気圧配置になって、空がとてもきれいな日があります。
    この日も、4月とは思えないような透明度の良い空に恵まれて、低空まで晴れ渡りました。

    こういう日が絶好のチャンスですので、絶対に逃さないようにしたいです。


    私が考えているこの時期の撮影方法は、基本的には前述の夕方のものと同じです。
    ただし、暗いうちに赤道儀の準備が出来ますから、望遠レンズは追尾撮影になります。
    もしも彗星が大化けしたら、24mm広角レンズにも頑張ってもらいます。



    [明け方] 4月上旬

    4月になると、彗星の地平高度はどんどん高くなり、4/6以降になると薄明開始時の地平高度は10度を超えます。
    でも上旬の前半は月の影響が気になります。
    月の影響が無くなるのは4/8以降ですかね。

    彗星は4/5頃にアンドロメダ大銀河(M31)の近くを通るので、このツーショットは狙い目です。
    この時期の彗星としては、M31の近くを通ることは珍しくありませんが、今回はとても接近します。


    今までにM31と一緒に撮影できた彗星は以下の2つです。


    まずはヘールボップ彗星ですが、ちょうど雲がかかってしまいました。
    彗星のほぼ真下なのですが、心眼で見てください。

    Hale-Bopp彗星  1997.03.30

     1997/03/30  19:36  FD24mm F1.4→2.0  露出5分(ノータッチガイド)  FUJI SuperG ACE 400
     トリミング : 80%×90%  長野県 浪合村



    そしてBradfield彗星です。

    Bradfield彗星  2004.04.29

     2004/4/29  3:44  EF16-35mm(35mm) F2.8→2.8  露出67秒
     EOS Kiss Digital  RAW、ISO-400  山梨県 高根町



    私が考えているこの時期の撮影方法は、基本的には通常の星野写真や星景写真と同じです。
    ただし、撮影できる時間は短いので、どのレンズでどのように撮るかを前もって考えておくことが大切です。



    [明け方] 4月中旬以降

    4月の中旬以降は、地平高度もかなり高くなってくるので、落ち着いて撮影ができます。
    特に4月の中旬は月の影響もないので、じっくりと撮影したいですね。
    この頃になっても尾が写ることを期待したいです。

    この頃の撮影方法は、通常の星野写真や星景写真と同じです。
    尾が写るようなら、いろいろな前景で星景写真を撮ってみたいですね。


    何度も言いますが、この頃の大敵が春霞や黄砂です。
    2002年の池谷・張彗星(イケヤ・チャン C/2002 C1)は、4月の最盛期にこれにやられて満足な撮影ができませんでした。

    池谷・張彗星  2002.04.14

     2002/04/14 3:26  FD24mm F1.4→2.8  ガイド撮影(6分)  山梨県 高根町
     FUJICOLOR PRO400  トリミング : 90%×90%


    とにかく透明度の悪い空で、全体にベールがかかったようで、カシオペアの一番左側の星もよく見えませんでした。
    彗星はカシオペアのすぐ右側にいて、光度は4等程度だったと思います。



    肝心の彗星はどのような姿を見せてくれるでしょうかね。
    そして、撮影に出かけたくなるような透明度の良い空は何日あるでしょうかね。

    ヘールボップ彗星の時も、4月の上旬に1週間ほど晴れなくてやきもきさせられた期間がありました。
    明るい彗星って、何故この時期に多いのかなあ?









    コメント

    おはようございます
    昨日、こちらのブログの過去記事(彗星)をジックリと読ませていただきました。今日の写真の数々も楽しませて貰いました。
    すると、どんどんとズクが出てきたのですが、やっぱ高度が低くて難しそうですね。

    ちなみに北側(北西向き)ベランダをロケハンをしてみたのですが、彗星が見えるようになるのは方角的には3/15からでした。(彗星の為のロケハンというよりも、ウチのベランダの正確な向きを改めて確認したということです)

    やっぱ、前半はももんがさんに任せた!(ズク喪失)
    2013/03/03 7:04 AM by 温泉日和
    >温泉日和さん、おはようございます。

    彗星は少し元気を取り戻したようなので、計画を立てようかなと思って始めたのですが、
    改めて地平高度が低いのを痛感しただけでした。

    特に夕方は厳しいですね。
    狙い目はやはり4月になってからでしょうか?
    でも天気次第でチャレンジしてみたい気もします。

    ズクを出して頑張って下さいよ〜。
    2013/03/03 8:57 AM by やまねももんが
    こんにちは。

    ブログに書こうとしていたことを、みんな、やまねももんがさんに書かれてしまいました!(笑)。
    まさに、やまねももんがさんが書いている通りです。

    そうなんですよ。
    夕方に見えるときは、赤道儀をセッティングする時間もなさそうです。
    やまねももんがさん仰るように、正確な極軸合わせをしなくても短時間露光なので大丈夫かもしれません。
    メインは固定撮影ですね。
    高度は5°なので、たしかに後先考えず、沈む前にバシバシ撮るしかなさそうです。
    2013/03/03 9:52 AM by まっちゃん
    >まっちゃんさん、こんにちは。

    まっちゃんさんも記事にまとめようとしていたのですか?
    先に書いてしまいました。

    夕方に見える時は、まだ空が明るいと思うのですよ。
    だから露光時間はかなり短くて、夕方の風景写真と同じ感覚かなあと思っています。

    高度5度は、恐ろしく低いですよね。
    かなり開けた場所でも難しいでしょう。
    尾が写るようだとまだしも、きらきらした核だけだと隠れてしまったら駄目ですものね。


    2013/03/03 11:36 AM by やまねももんが
    夕方だと相当キビシいんですね…。
    通勤に使っている鉄道の駅が高架にあって、ホームからみると西空が開けてるんです。
    で、帰宅時はそこから記念撮影くらいはできるかな、って考えています。もちろん固定撮影で。なんなら僕も写野に入ろうかなと(笑)。
    天文ガイドにも、大量にコンポジットして強調しているような方法が載っていましたね。なるほど、と思いました。
    2013/03/03 11:37 AM by ミッチー
    >ミッチーさん、こんにちは。

    地平高度がとても低いので、かなり厳しいですね。
    近日点通過時に核が割れるなどして、大化けしてくれれば話は別なのですが、、、。
    そうなると、核は地平線の下にあっても尾が見えるかもしれません。
    ミッチーさんが入って、ぜひ記念写真を撮って下さいね。
    2013/03/03 12:24 PM by やまねももんが
    こんにちは。
    どうも明るさの予報を見ると厳しい状況みたいですね。

    西の方向は名古屋市街の影響を完全に受けてしまうので、今のところは4月に朝の空に現れるのを待って撮影したいと思ってます。
    2013/03/03 5:02 PM by さとう
    実は彗星を見たことがありません。

    今回、運良く撮れたらいいなと軽く考えていましたが、今日の記事をみて、今の自分のスキルでは無理だなと思うようになってしまいました(苦笑)
    2013/03/03 5:26 PM by JBL
    >さとうさん、こんにちは。

    最新の予報では、光度は2等どまりのようですね。
    でも南半球での最近の写真を見ると、尾がかなり伸びていて、ちょっと期待ができそうですよ。

    でも特に夕方は地平高度が低すぎますね。
    私も本番は4月の明け方だと思っています。
    2013/03/03 5:30 PM by やまねももんが
    こんばんは。
    私も考えれば考えるほど難しい気がしてきました。
    当初予想のマイナス等級だったら写せたかも知れませんが、相当厳しいですね。
    とても分かりやすいまとめ、ありがとうございます。

    でも何が起こるか分からないので、取りあえず写っていようがいまいが撮るしかないですね。
    「宝くじは買わなきゃ当たらない」位の気持ちで臨んでみようと思います。
    2013/03/03 5:31 PM by かたくちいわし
    >JBLさん、こんにちは。

    今回、是非チャレンジしてみて下さい。
    条件はかなり厳しいですが、まだ大化けする可能性が無いとは言えませんよ。
    その時のために、準備だけはしておいて下さいね。

    今回の経験が、11月から12月のアイソン彗星に活きてきますよ。
    2013/03/03 5:35 PM by やまねももんが
    >かたくちいわしさん、こんにちは。

    光度と高度だけを見ると、状況はかなり厳しいです。
    でも南半球で撮られた写真を見ると、ちょっと期待が持てそうな気もしてきました。
    頭部は地平線下でも尾が写るなんてことがあるかもしれませんよ。

    準備だけはしっかりしておいて、仰るような気持ちで臨みましょう。
    2013/03/03 5:42 PM by やまねももんが
    こんばんわ

    久々の肉眼彗星ということで、大いに期待しています。
    おお化けを期待し、11日頃には山梨方面に遠征を考えています。
    撮影案はたいへん参考になりました。わたしも大体同じような方法になるのではと思いました。
    お互いがんばりましょう!
    2013/03/03 9:57 PM by ゆっくん
    4月の6日から12日まで石垣島にゆく予定ですが、やまねももんがさんの記事を参考にパンスターズを狙ってみます。これまで多くの天文現象を見逃しているので、今回は見逃したくないと思っています。
    2013/03/03 10:49 PM by きよきよ
    はじめまして。
    パンスターズ彗星確かに観測条件は
    厳しいですが、3月の13から21日ころが見ごろと思います。やはり、旬は近日点通過から1週間から2週間ではないでしょうか。
    1996年4月21日の百武彗星は光度2等で肉眼でも見えました。
    私は星景風に中望遠レンズでねらってみようと思います。中判645に150mmとAPSCサイズのデジタル一眼に50mmレンズです。
    薄明の中かなり忙しいとは思います。
    2013/03/03 10:59 PM by skame
    こんな大彗星の撮影はもちろん初めての経験なので、この記事は大変参考になりました。ありがとうございました。
    ミッチーさんじゃないですけれど、ダメだったら、記念撮影でもしてみます。

    2013/03/04 2:34 AM by まるこう
    >ゆっくんさん、おはようございます。

    はい、久し振りの肉眼彗星ですね。
    しかも肉眼で尾が見られるかもしれません。

    お互いに頑張りましょう。
    2013/03/04 5:41 AM by やまねももんが
    >きよきよさん、おはようございます。

    ちょうど良い時に行かれますね。
    海から昇ってくる彗星なんて滅多に見れませんよ。
    早い時間から撮影すると、尾から昇ってくる様子が撮れるかもしれません。
    頑張って下さいね。
    2013/03/04 5:46 AM by やまねももんが
    >skameさん、おはようございます。

    仰るように、旬はその頃でしょうね。
    旬の時期にぜひとも撮ってみたいです。
    地平高度が低いので、私も星景風が良いのではと思っています。

    本当のチャンスは5分ぐらいと思いますが、デジタル一眼は適応力があるので、ひたすら撮る事になるでしょう。
    2013/03/04 5:53 AM by やまねももんが
    >まるこうさん、おはようございます。

    はい、記念撮影でも良いと思いますよ。
    後々になって、思い出となるでしょう。
    是非ご家族で挑戦してみて下さいね。
    2013/03/04 6:11 AM by やまねももんが
     すごく参考になりました。
     夕方の撮影は、気負わず、夕焼けを撮る延長線上で狙いたいと思っています。
     赤道儀は、命がけで太陽でアライメントの予定です(笑。ファインダーの光がクセモノなんですよね。以前、昼間の金星を狙ったとき、火傷しそうになりました(笑。
    2013/03/04 11:44 AM by 阪神ファンいっこう
    >阪神ファンいっこうさん、こんにちは。

    夕焼けを撮る延長線上、まさにそうですね。
    気負わず、焦らず、てきぱきとやりたいものです。
    でも実際はあたふたしてしまうでしょうね(苦笑)。

    赤道儀のアライメントは十分に気をつけて下さいね。
    目玉焼きなんか、洒落になりませんからね。
    2013/03/04 12:50 PM by やまねももんが
    参考になる記事ですね^^大化けするのを祈ってお互い頑張りましょう!
    2013/03/04 10:33 PM by starwalker
    >starwalkerさん、おはようございます。

    南半球での写真を見ると、期待しちゃいますね。
    さらに大化けするのを祈りたいと思います。
    2013/03/05 5:24 AM by やまねももんが

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