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2013.08.06 Tuesday

流星写真の撮影と後処理方法 (改)

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    デジタルカメラを用いた流星写真の撮影方法と後処理に関してまとめてみました。

         ※ 2011.07.23 に書いた記事をベースにして加筆しました。


    1.流星写真は誰でも撮れる

    流星写真は誰でも撮れます。難しくはありません。
    でも、ほいほいと撮れるわけではありません。

    目で見たほどには写らず、「あぁ〜っ」と思わず声が出てしまうほど明るくないと写りません。
    だから、ひらすら撮り続けるしか手がないのです。
    でも、それじゃあまりなので、少しでも確率が上がることを考えましょう。


    1.1 流星群を狙う

    当たり前ですが、流星群を狙います。
    流星群と言っても、それぞれに特徴があります。
    数が多いか少ないかだけでなく、明るい流星が多いか少ないかもポイントです。
    まあ、写真を狙うならば以下の3つは外せないでしょう。
        ・しぶんぎ座流星群(1月)
        ・ペルセウス座流星群(8月)
        ・ふたご座流星群(12月)

    一晩だけを狙うならば、もちろん出現がピークに達する晩です。
    でも天候や月の影響などで、そうはいかない場合も多いでしょう。
    その時に、前の日が良いか後の日が良いかは悩むところですが、前の日の方が活発なことが多いようです。
    また、ふたご座流星群では、明るい流星ほどピークの時刻が後ろにずれるといった研究報告があります。


    1.2 夜空のどこを狙う?

    流星群の流星は、放射点(昔は輻射点と言っていました)を中心に放射状に出現します。
    放射点付近の流星は経路が短くて速度が遅く、放射点から離れると経路が長くて速度が早いです。

    ある程度は経路が長いほうが見栄えが良いので、放射点から少し離れたあたりが良いでしょうかねえ。
    でも、地上の風景や星座などで選んでも良いでしょう。
    カメラを向けたほうにはなかなか流れず、よく流れるところに向けなおすと流れなくなる、ということはよく経験します。
    あまり一喜一憂せずに、じっくり構えましょう。(と言っても難しいですよね。)

    なお、下で説明する(3)の場合は、写野内に放射点を配置するのが良いと思います。


    1.3 レンズの画角は?

    超広角レンズや対角魚眼レンズを使うと、空の広い範囲に出現した流星を一網打尽にできて良さそうに思えます。
    でも、流星の写りが小さくなってしまい、見栄えのする写真はなかなか撮れません。
    もちろん、経路が長い火球(ほぼ金星より明るい流星のこと)を狙うなら話は別です。
    2001年のしし座流星群では、どんなレンズを使っても凄い流星写真が撮れました。

    私はフルサイズ換算で24mm程度の広角レンズをよく使います。



    2.撮影方法

    2.1 撮影方法

    どのような流星写真を狙うのかによって、幾つかの撮影方法があります。
        ・とにかく流星を写したい
           (1)通常の星空写真の延長として、固定撮影で流星を狙います。
               地上の風景を入れても入れなくてもいいです。
        ・複数の流星を写し込みたい
           (2)星景写真として流星を狙い、流星が写ったコマを使って合成します。
           (3)追尾撮影で星野写真として流星を狙い、流星が写ったコマを使って合成します。


    2.2 カメラとレンズの設定

    いずれも、ISO感度を高めに設定し、レンズはあまり絞らずに、露光時間は30〜60秒でしょうか。
    主に以下の設定で撮影しています。
        ・ISO感度 : 1600又はそれ以上
        ・画像フォーマット :
            ・星空の色合いにこだわるならばRAW
            ・後処理の手間を省きたいならばJPEG
        ・ホワイトバランス : JPEGの場合はAUTOはダメ (試し撮りして設定しましょう)
        ・ノイズリダクション機能 : 長秒時露光のノイズ低減  → 「OFF」  ※これは重要です!
        ・レンズの絞り : 開放か少し絞る


    2.3 フィルターは?

    撮影方法(2)(3)では、フィルターは使用しません。
    撮影方法(1)では、ディフュージョンフィルターで明るい星を滲ませるのも絵作りの選択肢でしょう。


    2.4 レンズの曇り対策

    撮影場所や天候にも依りますが、夜露などでレンズが曇ってしまう場合があります。
    レンズの曇り対策は必須と思って下さい。
    私は2011年のふたご座流星群では酷い目に遭いました。


    2.5 連続撮影

    連続撮影では、タイマーリモートコントローラーを使うと非常に便利です。
    注意点は
      ・露光時間の設定はコントローラーで行なって、カメラはBULBにします。
      ・最低1秒のインターバル時間が必要です。
      ・撮影回数の設定上限は99ですが、00にセットすると無制限になります。

    なお、カメラで設定できる露光時間(Canonでは30秒以下)を使う場合は、以下のようにしたほうが簡単です。
      ・インターバルは使わずにカメラで露光時間を設定します。
      ・連写モードにして、レリーズをロックします。 (簡易型のレリーズでOKです。)
    Canonのカメラでは、電池が尽きるか、メモリーカードが一杯になるまで撮影を続けてくれます。



    3.合成方法  [比較明合成の変則技?]

    背景の色合いや街明かりによるカブリの影響は、時間と共に変化していきます。
    そのまま比較明合成すると、背景は一番明るい画像で決まってしまいます。
    そして多くの画像を合成すると、ノイズ等のばらつきによって背景がだんだん明るくなってしまいます。

    暗い場所で流星撮影の条件で撮影すると、固定撮影でも星がたくさん写ります。
    その画像を比較明合成すると、星の軌跡がとても煩くなってしまいます。

    そのような時は、手間はかかりますが、次のような方法で合成しています。
    ツールはPhotoshopを使っています。

    まず、背景に使う画像を選びます。

    流星の写っている画像から、投げ縄ツールを使って、流星を取り囲むように選択します。
    この時に、位置の目印になる星も含むようにします。
    コピーして、背景の画像に貼り付けます。
       Photoshopでは、ペーストするとレイヤーが出来ます。
    貼り付けた画像の位置を合わせます。
       貼り付けた画像のレイヤーを比較(明)にすると、背景の画像も見えて作業が楽です。

    貼り付けた画像の星空部分を、背景に使った画像の星空部分より少しだけ暗くします。
       色カブリが激しい場合は、単純な明るさだけでなくて、RGB個々の成分を暗くする必要があります。
       この場合は、貼り付けた画像のレイヤーに直接操作を加えます。
          状況に応じて、明るさ補正,レベル補正,トーンカーブ,カラーバランス等のコマンドを使います。
       この時は、貼り付けた画像のレイヤーを通常にしておくと、周辺との比較がしやすいです。

    この操作を繰り返し、最後にレイヤーを結合して出来上がりです。



    4.撮影例

    4.1 星景写真として流星を狙う

    撮影例は2005年の「おうし座流星群」です。
    この年は火球の出現が期待されていました。
    高根町に着いて赤道儀を組み立てていると、明るい流星が2個流れました。
    そこで1台のカメラを三脚に載せて、インターバルタイマーをセットして固定撮影を始めました。
    すぐに明るい流星が流れて写真が撮れました。
    これからどうなるのだろうと思いましたが、それ以後はあまり流れませんでした。
    まあ、こんなもんですかね。
    露光時間が長すぎたので、明るさを調整しました。


      2005/11/08 23:07  EF15mm F2.8→2.8  固定撮影(115秒)
      EOS 20D JPEG、ISO1600  山梨県 高根町



    4.2.1 星景写真として流星を狙い、比較明合成する

    撮影例は2010年の「ふたご座流星群」です。
    肉眼では結構見えていたのですが、なかなか写らず、写ってもこの程度です。

    1分の露光では星が寂しいので、数枚の画像を使って比較明で合成しましたが、枚数が多くなると星の軌跡が煩くなってしまいます。


      2010/12/14 22:56  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(59秒) 2枚を比較明で合成
      EOS 5DMark2 Raw、ISO1600  山梨県 高根町



      2010/12/15 00:51  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(59秒) 7枚を比較明で合成
      EOS 5DMark2 Raw、ISO1600  山梨県 明野村




    4.2.2 星景写真として流星を狙い、複数の流星を変則技で比較明合成する

    撮影例は2012年の「ふたご座流星群」です。


     2012/12/14 02:01:59-02:53:29  流星の写っている4コマを比較明合成
     EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(29秒)  Lee Soft-1 Filter(レンズの後ろ)
     EOS 5DMark2 RAW、ISO3200  山梨県・高根町にて


    流星の写っている4コマを使って、変則技で比較明合成してみました。
    背景は「02:01:59」のもので、他のコマの流星は投げ縄ツールで選択して貼り付けています。
    固定撮影なので、時間と共に星の位置が動いていきます。
    貼り付けた流星の位置合わせは、平行移動だけでなくて回転も必要になります。

    手間はかかりますが、その甲斐はあったと思っています。


    4.3 星野写真として流星を狙い、複数の流星を変則技で比較明合成する

    撮影例は2012年の「ふたご座流星群」です。
    赤道儀にカメラを載せて追尾撮影し、22コマに写った流星を比較明合成しました。
    なお、背景に使った画像にはフラット補正を施しています。
    1枚の露光時間は30秒です。



      カメラ及び設定 : 60Da、JPEG、WBは太陽光(5200K)、ISO3200、露光時間は30秒
      レンズ : AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G → 14mm、F2.8で使用
      後処理(CameraRaw6) : ノイズ低減、周辺減光補正
      後処理(PhotoshopCS5) : コントラスト強調、明るさ調整、色合い調整


    この年のふたご座流星群はとても活発で、とてもたくさんの流星が写りました。
    比較的明るい流星も写って、放射点も分かりますね。

    2001年のしし座流星群の時に、この撮影機材と処理方法があったら、凄い写真が撮れたでしょうね。









    コメント

    今年もこの季節がやってきましたね、条件も良いですし、段々と天気は回復してくれそうですので撮影できるのではないでしょうか。
    2001年のしし座流星群があと10年遅かったらと思わずにはいられません。それだったらもっとまともな写真が撮影できたはずです。
    2013/08/06 7:12 AM by hana
    >hanaさん、おはようございます。

    いつも流星群の時期になると、この記事を見に来てくれる人が増えるので改版しました。
    ペルセ群はどうも相性がよくなくて惨敗が続いています。
    たくさんの明るい流星が見たいですね。
    2001年のしし座流星群が今だったら、もう凄い写真が撮れたでしょうね。
    4桁の個数が写せたと思いますよ。
    2013/08/06 7:25 AM by やまねももんが
    こんにちは
    ここ数日は、ぺルセ撮影地の選定とともに、ももんがさんのこの記事をじっくり読まさせてもらってました。
    「え?物理の方は読んでないのかって?」
    それはさておき…(笑)

    天気jpの長期予報では、当日は微妙な空になりそうですが、昨年に入笠でやりたかったことなどを思い起こしながら、撮りまくってみようと思いますね。
    2013/08/06 7:27 AM by 温泉日和
    おはようございます。
    この時期に流星撮影講座していただけるなんて素晴らしい〜
    8月のペルセウスでどう撮影しようかと考えていたところなので
    とっても参考になります。
    特にレンズの選択は悩みどころだったのでとってもためになりました。
    また比較明の変則技は驚きです。
    まだ、場所(岡山、名古屋)が決まってないですが、
    流星楽しみたいと思ってます=
    2013/08/06 7:31 AM by 道端小石
    >温泉日和さん、おはようございます。

    ペルセウス流星群の時期の前に改版したいと思っていたのですが、結構ギリギリになってしまいました。
    参考になれば幸いです。

    天気は一時期よりは安定しそうですが、少し微妙ですね。
    でも迷ったらGOですね。
    2013/08/06 8:21 AM by やまねももんが
    >道端小石さん、おはようございます。

    最近の2年間のことを含めて改版しました。
    参考になれば幸いです。

    変則技は手間がかかりますが、効果は大きいですよ。
    晴れてたくさんの流星が見られると良いですね。
    2013/08/06 8:26 AM by やまねももんが
     こりゃ撮らにゃいけんですねぇ。放射点のわかるやつ、いいですねぇ。今夜、皇座山出撃予定してるのですが、画像アップ出来るといいなぁ。
     「流星写真は誰でも撮れる」信じてますよ(笑)
     腰の具合どうですか?無理なさらず、この新月期はじぃにお任せあれ。って、その方が心配?ほっとってください(笑)
    2013/08/06 8:34 AM by 山口のじぃ
    >山口のじぃ様、こんにちは。

    ぜひ放射点のわかるやつを撮ってみて下さいな。
    撮影自体はカメラを赤道儀に載せて連続撮影するだけです。
    誰でも撮れます。
    でも大量のコマから流星を探して合成するのはかなり手間がかかりますよ。
    では、お任せしましたよ〜。
    2013/08/06 9:50 AM by やまねももんが
     流星群は相性悪いです。なんといっても、撮影しようと気合いをいれると曇る確率が高いです。そして、晴れても明るい流星は写野の外(特に真反対)というパターンです(泣。
     みなさんのお邪魔にならないよう、撮れたらラッキーレベルで、気負わないで臨みます。
     ちなみに、2001年のしし座の撮影、すでにデジカメでした(一眼ではありませんでしたが)。今の撮影環境で撮ったらすごいでしょうね。撮りた〜い。
    2013/08/06 11:04 AM by 阪神ファンいっこう
    >阪神ファンいっこうさん、こんにちは。

    私はしし群とふたご群との相性はまあまあですが、それ以外は駄目ですねえ。
    真夏のペルセ群は、場所の選択が難しいです。
    今年こそはと思っていたのですが、腰の調子がイマイチなので、みなさんにお任せしようと思っています。
    2001年のしし群ほどの流星雨、もう一度見たいですね。
    2013/08/06 11:32 AM by やまねももんが
    ペルセ群がやって来ますね。最高の条件なのにお天気がと思っていたら、何だか星が見えそうな感じになってきましたね。ペルセ群はカメラをどこに向けるか悩みます。
    私は育樹広場で若者と一緒に叫びながら楽しもうかと思います(笑)
    2013/08/07 10:36 PM by とりぷるあい
    >とりぷるあいさん、おはようございます。

    昨日から天気が変わりましたね。
    戻り梅雨が明けたようで青空が戻ってきましたが、猛暑もいっしょにやってきてしまいました。

    流星写真は運次第ですが、とりぷるあいさんならカメラをどこに向けても大丈夫でしょう。
    芝生広場まで入っていかれるのですか?
    2013/08/08 5:12 AM by やまねももんが

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