60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
画像を再処理して差し替えました。 →
前のバージョンはこちら
この「いて座領域3」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M8(NGC6523) : 散光星雲(干潟星雲)
・M20(NGC6514) : 散光星雲(三裂星雲)
・M21(NGC6531) : 散開星団
・M22(NGC6656) : 球状星団
・M23(NGC6494) : 散開星団
・M24(NGC6603) : 散開星団
・M25(IC4725) : 散開星団
・M28(NGC6626) : 球状星団
・IC1274 : 散光星雲(猫の手星雲)
・IC1284 : 散光星雲(バンビの首飾り)
・B92,B93 : 暗黒星雲<BR>
撮影日時 : 2014/06/01 23:40〜 240sec×15枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき山自然公園にて 気温は約12℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
ガイド : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw6 : Raw現像
・StellaImage6.5 : 色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(CD)、透明度(C)、フォーカス(C) 5段階評価
いて座は天の川銀河の中心方向に当たるので、とても華やかな領域です。
メシエ天体が8個もあり、それ以外にも星雲や星団が散在しています。
そして、それ以上に銀河(天の川)の濃い部分や複雑に入り組んだ暗黒帯の様子が面白いです。
南側は空がそれほど暗くなくて、低空の透明度もあまり良くなかったのですが、思ったよりもよく写ったと思っています。
でも画像処理がとても難しいですね。
銀河(天の川),散光星雲,暗黒星雲,球状星団や散開星団、と性格の異なるものが混在しているので非常に厄介です。
不満なところはたくさんありますが、今はこれで精一杯です。
この領域がサクサクと処理できたら楽しいでしょうね。
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
M8、M20、M21 (ピクセル33%表示で切り抜き)
中央やや下の大きな赤い星雲が「干潟星雲(M8)」で、双眼鏡でもその存在がよく分かります。
明るい散開星団が重なっていることもあって、とても華やかです。
その左側に淡い星雲が広がっていて、左端の領域は「猫の手星雲」と呼ばれています。
でも、さそり座のNGC6334も「猫の手星雲」と呼ばれているのですよねえ。
この辺りの星雲はそれぞれに番号が付いていますが、青い部分を含む星雲はIC1274のようです
中央やや上の赤と青の星雲はM20で、これも双眼鏡でもその存在がよく分かります。
下側の赤い輝線星雲は「三裂星雲」と呼ばれていて、その上に青い反射星雲があります。
私の写真では三裂の様子は分かりませんね。
三裂星雲の左斜め上にある散開星団はM21です。
小さな散開星団で、近くに明るい散光星雲があることもあって目立たないですね。
バンビの横顔 (ピクセル33%表示で切り抜き)
いて座にある銀河(天の川)が非常に濃い部分は、昔から「スタークラウド」と呼ばれていました。
最近は「バンビの横顔」と呼ばれています。
ちょうど目に当たる部分に暗黒星雲があって、B92という番号が付いています。
M24はこのスタークラウド全体を指すようで、実際には散開星団ではないようです。
一方で、この中にあるNGC6603という星団をM24だとする意見もあるそうです。
首に当たる部分はほんのりと赤っぽいですね。
そして、その近くに赤い星雲と青い星雲があって、「バンビの首飾り」と呼ばれています。
赤く光る星雲部分はIC1284、輝星を包むように青く輝く部分にはNGC6589の番号が
付いています。
M22、M28 (ピクセル33%表示で切り抜き)
いて座には球状星団が数多くありますが、その中で最も大きくて立派なのがM22です。
このM22は全天で最初に発見された球状星団だそうです。
球状星団を意識しないで画像処理をしているので、中心部は潰れてしまいました。
それでも一目で球状星団だと分かるのは流石です。
M28はM22の3分の1ほどの小さな球状星団です。
それでも銀河(天の川)に埋もれることなく、球状星団だと分かるように写っています。
M23、M25 (ピクセル33%表示で切り抜き)
M23は満月ほどの大きさに広がっている大きな散開星団です。
背景がやや暗いので、とても目立ちます。
M25も大きな散開星団ですが、かなり疎らですね。
こちらは銀河(天の川)の明るい部分にあるので、埋もれてしまいそうです。
連続して撮影した「いて座領域3」と「いて座領域4」をモザイク合成してみました。