昨日の続きです。
4.1 レイヤーマスクのパラメータ等
「レイヤーマスクサムネール」をクリックすると、「属性」のウィンドウがマスクのものに変わります。
ここで、マスクパターンの濃度を変えたり、ぼかしを加えたり、明暗を反転させたりすることができます。
ここで設定した内容はいつでも戻って変更することができます。
4.2 微光星処理用のマスク
今回の例題では使っていませんが、微光星が煩いときにこんな処理をしています。
処理前の画像
下に示すマスクパターンを使って、「レベル補正」でシャドウスライダー(左側の三角)を例えば60にしてみます。
ただし、レベル補正のシャドウスライダーを使って処理するのが良いのかはちょっと自信がありません。
処理後の画像を下に示しますが、小さい画像では違いが分かりづらいですかね。
マスクは以下のように作ります。
そこまでの調整レイヤーを全て統合し、別名で保存します。
「フィルター」 → 「その他」で、 「ハイパス」を選択します。
半径は3.0〜4.0程度が良いかと思います。
このフィルター操作で、星のようなシャープな点像が抽出されます。
ただし、明るい星は抽出されません。
「レベル補正」で下のようなパラメータでコントラスト強調します。
これでマスクパターンができました。
Altキーを押しながら「レイヤーマスクサムネール」をクリックしてレイヤーマスクを表示します。
そこに、作ったマスクパターンを貼り付けます。
4.1で説明した「ぼかし」の設定を3pixel程度にすると仕上がり具合が良いようです。
いろいろと試してみて下さい。
4.3 星雲強調用のマスク
星雲だけを強調処理できるようなマスクがあれば嬉しいのですが、私はどうもうまく作れません。
良い方法があれば誰か教えて下さい。
5.1 他のツールで処理する場合
今回の例題ではありませんでしたが、途中で他のツールで処理する場合があります。
例えば「StellaImage」や「FlatAide」などです。
その場合は、そこまでの調整レイヤーを全て統合して、別名で保存します。
そして他のツールで処理を行います。
そして処理後の画像を「レイヤーパレット」に貼り付けて、再びフォトショップでの処理を進めます。
画像を「選択範囲」で「全てを選択」し、「編集」で「コピー」します。
「レイヤパレット」の一番上の「調整レイヤー」を選択しておいて、「ペースト」すると画像を貼り付けることができます。
ただし当たり前の話ですが、貼り付けた画像より下の調整レイヤーの内容を変えても、もう貼り付けた画像には反映されません。
5.2 CameraRaw,フィルター,シャドウハイライト 等を使う場合
例題では「CameraRaw」で明瞭度を調整し、「スマートシャープ」でシャープ処理を行っています。
この場合も他のツールで処理する場合と同様に、一旦そこまでの調整レイヤーを全て統合します。
そしてその画像を、統合する前の「レイヤーパレット」に貼り付けます。
貼り付けた画像の「調整レイヤー」を右クリックし、「スマートオブジェクトに変換」をクリックします。
そして例えば「フィルター」で「CameraRawフィルター」を選択すると、CameraRawのウィンドウが開いて処理を行うことができます。
この方法の利法は、いつでも処理をやり直せることです。
もちろん、貼り付けた画像より下の調整レイヤーの内容を変えても、もう貼り付けた画像には反映されません。
これができると凄く嬉しいのですがねえ。
6.1 明るい領域と暗い領域を別々に処理することも可能です
この例題では追加の処理として、以下の2つの領域の明るさと色合いを別々に調整しました。
・背景の暗い領域
・銀河(天の川)の領域
それぞれのマスクパターンを下に示します。
3.1で説明した方法で作成したものにコントラスト強調を行ったものと、それを反転させたものです。
この例題では、調整レイヤーを統合した後でこれら追加の調整処理を行っていますが、これは好ましいことではありません。
調整レイヤーの統合は、できるだけ回数を少なしくし、また最後にやるのが良いと思います。
7.1 追加の説明
作ったマスクを使う使わないは簡単に切り替えることができるので、違いを見比べてみて下さい。
「レイヤーマスクサムネール」を右クリックして表示されたメニューの一番上で切り替えることができます。
「レイヤーマスクを使用しない」状態では、「レイヤーマスクサムネール」に赤いバツが付きます。
「レイヤーパレット」の上のほうに「不透明度」というのがあります。
デフォルトでは100%になっています。
この数値を小さくすると、その「調整レイヤー」の処理内容が低減されていきます。
また画像を貼り付けた場合には、それより下の部分の画像とブレンドされていきます。
「不透明度」の左側に「通常」と表示されている部分があります。
ここを左クリックすると、下のようなメニューが表示されます。
「通常」がデフォルトですが、ここでその調整レイヤーの「描画モード」を指定することができます。
いろいろと遊んでみて下さい。
これで、「フォトショップのレイヤーとマスク」の説明をひとまず終わりとします。