60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「ケンタウルス座領域1」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・オメガ(ω)星団(NGC5139) : 球状星団 (Caldwell Object C80)
・ケンタルウス座A(NGC5128) : 楕円銀河 (Caldwell Object C77)
撮影日時 : 2015/03/26 00:44〜 90sec×25枚
撮影場所 : 山梨県・清里にて 気温は約-10℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
ガイド : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・FlatAide : フラット補正
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(×)、透明度(DE)、フォーカス(B) 5段階評価<
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域は地平高度がとても低いので、撮影のチャンスがなかなかありません。
超大物のオメガ星団の南中高度は7度弱です。
やっと撮影に漕ぎつけたのですが、南側が明るくて、しかも低空は透明度が良くありませんでした。
でも昨年の撮影と比べると、ちょっとだけマシになったでしょうか?
なお、おとめ座のスピカはオメガ星団と赤経がほぼ同じなので、とても良い目印になりますよ。
オメガ星団 (ピクセル50%表示で切り抜き)
全天で最も大きな球状星団です。
肉眼でも見える明るさですが、日本では地平高度がとても低いので無理でしょうかね。
双眼鏡で見ると、その大きさにびっくりします。
この星団は一つの恒星と考えられていたそうで、
名前はそのケンタウルス座ω(オメガ)星という符号が与えられたことに由来します。
低空の透明度が良くなかったので、だいぶ赤っぽくなってしまいました。
ケンタウルス座A (ピクセル50%表示で切り抜き)
2つの銀河が衝突しているそうで、強烈な電波を出している天体として有名です。
中央には暗黒帯の切れ込みがあり、私の写真でも微かに写っています。
24mmの広角レンズで撮ったものを下に示します。
撮影場所は清里の清泉寮です。
道端の駐車場で、背後には街灯があります(苦笑)。
かなり昔のことですが、清里の清泉寮でカノープスが見えたことを思い出して、
それならオメガ星団も見えるんじゃないかと出かけてみたのです。
思ったとおり見えましたよ、双眼鏡で微かに、、、(苦笑)。
高度は思ったよりも高かったのですが、低空はもやと街明りでかなり厳しい状況でした。
それでもかなりひどい領域からは少し抜け出しているようです。
オメガ星団の南中時刻は1時頃なので、とにかく12時半から1時半過ぎまで撮影しました。
低空は明るいので、90秒露光でヒストグラムは真ん中付近までいっています。
ホワイトバランスだけを調整したRAW現像後の画像を示します。
通常は写野の真ん中で位置合わせを行ってコンポジットしています。
でも超低空では大気差による星の浮き上がりが生じてしまい、
上や下ではズレがだんだんと大きくなってしまいます。
南中前後の短い時間帯(±15分ほど)はその影響はまあ許せましたが、
それ以外は許容できずに使えませんでした。
このズレは南中時刻を挟んで対称に生じているので、大気差による星の浮き上がりで間違いないと思います。
なお、今回はオメガ星団で位置合わせを行いました。
上の写真でも分かるように、写野の場所によって空の明るさや色合いが大きく異なっています。
最初はこれをグラデーションマスクを使って補正していったのですが、やはり無理でした。
そこでフラットエイドの手を借りましたが、パラメータの値を変えながら何度もやり直しました。
とにかく強引に処理して仕上げたのですが、背景にはうねうねしたノイズ?がとても醜い状態です(涙)
そして、オメガ星団はだいぶ赤っぽくなってしまいましたね。
それでも昨年撮影したものよりは、多少マシですかね? →
昨年の撮影
できればもっと条件の良い場所や状態で撮り直したいのですが、、、。
もっと早い時期のが良さそうですが、そうなると来年ですかね。
鬼が笑いそうだなあ。