60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「ケンタウルス座領域1」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・オメガ(ω)星団(NGC5139) : 球状星団 (Caldwell Object C80)
・ケンタルウス座A(NGC5128) : 楕円銀河 (Caldwell Object C77)
撮影日時 : 2015/04/17 23:13〜 150sec×20枚
撮影場所 : 長野県・蓼科にて 気温は約-5℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
ガイド : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・FlatAide : フラット補正
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(E(-))、透明度(DE)、フォーカス(BC) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域は地平高度がとても低いので、撮影のチャンスがなかなかありません。
超大物のオメガ星団の南中高度は7度弱です。
2015年3月に清里でやっと撮影に漕ぎつけましたが、
南側が明るくて、しかも低空は透明度が良くありませんでした。
→
こちら
そして、その翌月にもっと標高の高い蓼科で次のチャンスが訪れました。
空の明るさと透明度は前回よりも多少は良かったでしょうか?
それでも、オメガ星団は潰れてしまって、つぶつぶ感を出すことができませんでした。
前回よりも良く仕上げたいと無理をしたせいが、画像がだいぶ荒れてしまいました。
おまけに写野の下側には木々が写りこんでしまっています。
さらに構図がどうしてこんなに傾いてしまったのでしょうね?
なお、おとめ座のスピカはオメガ星団と赤経がほぼ同じなので、とても良い目印になりますよ。
オメガ星団 (ピクセル50%表示で切り抜き)
全天で最も大きな球状星団です。
肉眼でも見える明るさですが、日本では地平高度がとても低いので無理でしょうかね。
双眼鏡で見ると、その大きさにびっくりします。
この星団は一つの恒星と考えられていたそうで、
名前はそのケンタウルス座ω(オメガ)星という符号が与えられたことに由来します。
前回よりも赤みを抑えてみましたが、本来はどんな色合いなのでしょうね?
ケンタウルス座A (ピクセル50%表示で切り抜き)
2つの銀河が衝突しているそうで、強烈な電波を出している天体として有名です。
中央には暗黒帯の切れ込みがあり、私の写真でも写っています。
24mmの広角レンズで撮ったものを下に示します。
オメガ星団の南中は23時半頃でしたが、その1時間以上も前に木々の間に双眼鏡で確認できました。
思ったよりも木々が邪魔になることが分かり、木々の低いところで南中を迎えるようにしたいです。
そこで設置済みの赤道儀を15mほど移動することにしました。
もちろん極軸調整はやり直しです。
写真でも分かりますが、低空はもやっていて黄色っぽいですよね。
南側がもっと暗ければ影響が少ないのでしょうが、私の撮影地ではこれが精一杯ですかね。
あと残された可能性は、星空のきれいな1月下旬から2月の明け方だと思います。
でもその頃は標高の高い場所へはなかなか行けないですよね。
上の画像は最初の1枚目で、Raw現像でホワイトバランスを調整しただけのものです。
このように下側に木々が写りこんでしまいました。
すべてのコマで大なり小なり写りこんでいます。
コンポジットで加算平均するので影響は小さくなりますが、それでも最終画像の左隅には影響が残っています。
通常は写野の真ん中で位置合わせを行ってコンポジットしています。
でも超低空では大気差による星の浮き上がりが生じてしまい、
上や下ではズレがだんだんと大きくなってしまいます。
その影響が許せるのは、南中前後の短い時間帯(±15分ほど)です。
でもコンポジットの枚数を稼ぎたいので、その前後に撮影したコマも使いました。
なお、今回はオメガ星団で位置合わせを行っています。
上の写真でも分かるように、写野の場所によって空の明るさや色合いが大きく異なっています。
最初はこれをグラデーションマスクを使って補正していったのですが、やはり無理でした。
そこで、その後でフラットエイドの手を借りています。