星空が好き、猫も好き

星空がきれいな晩はどこかへ出かけたいなあ

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2015.12.30 Wednesday

星野写真(60Da、100mm) おうし座領域4

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    60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
    メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。


    この「おうし座領域4」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
      ・おうし座分子雲 : 分子雲,暗黒星雲







      撮影日時 : 2015/12/18 23:41〜  480sec×15枚
      撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約-4℃
      カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
      フィルター : 無し
      レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
      ガイド : EM11(ノータッチ)
      処理
        ・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
        ・CameraRaw8.5 : Raw現像
        ・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
        ・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々

      空の暗さ(B)、透明度(BC)、フォーカス(AB)  5段階評価


    恒星は9.5等まで、星雲星団は等級制限の指定無しを表示




    この領域は、プレアデス星団の東側で、ヒアデス星団の北側です。
    主役は「おうし座分子雲」です。
    おうし座分子雲はこの画角でも入りきらないほど広がっていますが、この辺りが最も濃いように思われます。

    分子雲という言葉は、私も使っていますが、よく見聞きするようになったのは最近のことですよね。
    星間雲,分子雲,星雲(輝線星雲,反射星雲),暗黒星雲(暗黒物質ではありませんよ!)といろいろな言葉がありますが、私は次のように捉えています。
    素人なので勘違いしている部分があるかもしれませんが、、、。

    星間雲は原子や分子のガスや塵などが集まって雲のようになっているものです。
    その中で特に分子が主成分のものを分子雲と呼んでいるのだと思います。
    宇宙で最も多く存在している原子は水素ですから、この場合の分子は主に水素分子です。
    分子は原子同士が衝突して結合しないと出来ませんから、分子雲は星間雲の中でも濃い(密度が高い)と思われます。

    それらがどのように見える(どのように写る)かによって星雲としての呼び方が違ってきます。
    近くに明るい星(恒星)があると、その星の光を反射して雲が輝きます。
    これを反射星雲と呼び、その光は連続スペクトルになります。
    その星(恒星)が高温の場合は、紫外線などのエネルギーの高い光によって、分子が壊されたり原子が電離したり励起したりします。
    この励起した原子は、原子特有の波長(エネルギー)の光(電磁波)を放出します。
    量子力学で習いますが、原子はとびとびのエネルギーしか持てないからです。
    水素原子が3番目に高いエネルギー順位から2番目に高いエネルギー順位に移るときに、656.3nmの赤い光を出します。
    これが有名なHα光です。
    順位の組み合わせに応じて波長(エネルギー)が決まるので、その光は輝線スペクトルになります。
    水素原子では可視光の領域で最も輝度が高いのが上記のHα光です。
    このように輝線スペクトルで輝いている星雲が輝線星雲で、写真ではほとんどが赤く写ります。

    近くに明るい星(恒星)が無い場合には、星雲として輝かないので見えません。
    でも背後の星の光を遮ってしまうほど雲が濃い場合には、暗黒星雲として認識できます。
    背後に明るい星雲などがある場合は、馬頭星雲のようにもっとはっきり見えます。

    背後の星が透けて見えるような場合でも、最近のデジタルカメラと画像処理によって分子雲を浮かび上がらせることができるようになったのは驚きです。
    分子雲が薄い場合は色合いはほとんど無いようですが、比較的濃い場合は赤茶色のような色合いで仕上げている画像が多いですね。


    私としてはかなりたっぷり露光したつもりでいましたが、甘かったです。
    分子雲が濃くて背後の星の光を遮っている部分はノイズでざらついています。
    背後の星が少し透けて見える部分の色合いがうまく出せませんでした。

    そして非常に小さくて淡いですが、反射星雲が幾つかあるのですね。

    この領域にはメシエ天体もカルドウェル天体もありませんが、あえて撮影したのはもちろん濃い分子雲があるためです。
    そして、近隣の領域とモザイク合成しようと思ったからです。
    プレアデス星団がある「おうし座領域2」と繋げてみました。  → こちら
    ヒアデス星団がある「おうし座領域3」も繋がるかなと思いましたが駄目でした。







    12:05 | 旧版 | comments(6) | - | - | - |







    2015.12.29 Tuesday

    みずがき湖での星景写真 鹿鳴峡大橋

    0

      12/16の晩に山梨県のみずがき湖で撮影した星空写真です。
      地上風景にはフィルター無し、星空にはフィルター有り、で撮影して合成しています。

      今日ご紹介する写真の主題は「鹿鳴峡大橋」です。
      地上風景用画像にフィルターを使わなかったことで最も違いが出たのは鹿鳴峡大橋の描写でした。
      やはり地上風景は「はっきりくっきり」写ったほうが良いですね。



      全員集合です


        2015/12/17 01:19  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
        地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
        地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
        EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

      女神像,牡鹿像,鹿鳴峡大橋と全て入れてみました。
      暗くて見づらいですが、女神像の左手前には女鹿像が、左横には小鹿象もいます。
      このくらい離れて撮るのも良いですね。
      ちょうど車が橋を渡っていったので、風景が少し明るく写ってくれました。

      星空は ”カシオペア” と ”ケフェウス”、そして ”ペルセウス” です。
      もちろん ”アンドロメダ銀河” も参加してくれています。

      低空が少し赤っぽいのは、清里辺りの街明りの影響だと思います。



      鹿鳴峡大橋と沈みゆくカシオペア


        2015/12/17 01:35  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
        地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
        地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
        EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

      ”カシオペア” の高度がだいぶ低くなってきました。
      ”アンドロメダ銀河” がもうすぐ山影に隠れてしまいますね。
      地上風景にはディフュージョン・フィルターを使っていないので、鹿鳴峡大橋がくっきりと写っています。
      橋の照明が湖面に映る様子はいつ見てもきれいですね。
      この冬は暖冬らしいので、もしかしたら結氷しないのかもしれません。

      ディフュージョン・フィルターはレンズの前に配置しているので、写野の周辺部では明るい星が僅かに楕円形に歪んでいます。
      でもそれほど気になるレベルではありません。


      ところでフィルターは「リー・ポリエステルフィルター」を使っていて、レンズの前に手で持って配置しています。
      ケラレないようにレンズに少し押しつけているのですが、そのために構図が少しずれてしまったものがありました。
      これは早急に何とかしないと駄目ですね。











      2015.12.28 Monday

      みずがき湖での星景写真 牡鹿像

      0

        12/16の晩に山梨県のみずがき湖で撮影した星空写真です。
        地上風景にはフィルター無し、星空にはフィルター有り、で撮影して合成しています。

        今日ご紹介する写真の主題は「牡鹿像」です。


        牡鹿像と大小の柄杓(ひしゃく)


          2015/12/17 00:19  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
          地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
          地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
          EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

        ”北斗七星” が昇ってきました。
        いつもながら、見事な星の並びですね。
        それを小熊が追いかけているように見えます。
        そして、それを牡鹿が見上げています。
        でもそういうイメージとは違って、牡鹿は南側を見上げているのですよねえ。



        牡鹿像と昇ってきたしし


          2015/12/17 01:25  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
          地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
          地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
          EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

        ”しし” が ”木星” を引き連れて昇ってきました。
        木星は−2.1等と凄く明るいです。
        牡鹿を同じような向きに並べて撮ってみました。
        少し前から気になっていたのですが、低空に薄雲があるようです。




        冬になって山の木々の葉が落ちると、木々の隙間から空が見えるようになります。
        その様子をマスクを使ってちゃんと合成するのは、いろいろやってみましたが無理のようです。
        そこで目立たないように誤魔化しているのですが、どうしても違和感が残ってしまいますね。
        最近は以下のようなことをしています。


         地上風景の画像



         星空の画像



         地上風景用のマスク(星空用のマスクはこれの反転)



         マスクを使って合成した状態
            木々がぐちゃぐちゃです。
            マスクが正確に出来ていないためだと思いますが、、、。 



         そこで、地上風景用のマスクは使用しないことにします。
            少しはマシになりましたが、まだまだですね。




         星空用のマスクを少しぼかします。 (Photoshop では、マスクのぼかし量を指定できます。)
            この例では 6.0px にしました。
            ぼかしを大きくすると、木々のすぐ上の星空部分が明るくなってしまいます。
            これは地上風景画像の星空部分が明るいためで、私の画像特有の現象だと思います。
            このぼかし量の適正値が場所によって異なるので頭が痛いです。



         合成後に、ちょっと味付けをして、ノイズ低減処理をして、スマートシャープを施します。



        でも、もう少し何とかしたいですねえ。











        2015.12.27 Sunday

        みずがき湖での星景写真 カシオペア

        0

          12/16の晩に山梨県のみずがき湖で撮影した星空写真です。
          地上風景にはフィルター無し、星空にはフィルター有り、で撮影して合成しています。

          今日ご紹介する写真の主題は「カシオペア」です。



          女神像とカシオペア付近の秋の銀河(天の川)


            2015/12/16 22:05  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
            地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
            地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
            EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

          女神像の向こうに見える星空は ”カシオペア” と ”ケフェウス” です。
          カシオペアの上には ”ペルセウス座の二重星団” が見え、左側には ”アンドロメダ銀河” が見えています。
          女神像の足元に見えている明るい星は ”はくちょう座のデネブ” です。



          女神像,牡鹿像とカシオペア,ケフェウス


            2015/12/16 22:31  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
            地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
            地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
            EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

          女神像から少し離れて牡鹿像も一緒に入れてみました。
          そして目の高さまで三脚を伸ばして鹿鳴峡大橋も入れてみました。
          地上風景にはディフュージョン・フィルターを使っていないので、橋の照明がくっきり写っています。
          でもこれでは照明の色が分かりませんね。

          星空は ”カシオペア” と ”ケフェウス” です。
          秋の銀河(天の川)もきれいに見えています。
          ”アンドロメダ銀河” が入ってくれると、すごく得した気持ちになりますね。



          女神像とカシオペア,ペルセウス


            2015/12/16 23:58  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
            地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
            地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
            EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

          ”カシオペア” の高度が少し低くなってきたので、”ペルセウス” と一緒に撮りました。
          ”アンドロメダ銀河” のことを忘れていたのですが、女神像のすぐ左に写っていました。
          そして左上に ”カリフォルニア星雲” がうっすらと写っているのにはちょっと驚きです。



          今年もあと5日になりましたね。
          大掃除もやっとゴールが見えてきました。
          星空写真の処理も頑張らねば、、、。











          2015.12.26 Saturday

          星野写真(60Da、100mm) うみへび座領域1

          0

            60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
            メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。


            この「うみへび座領域1」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
              ・M48(NGC2548) : 散開星団

              ・NGC2506 :  散開星団 (いっかくじゅう座)
              ・NGC2539 :  散開星団 (とも座)







              撮影日時 : 2015/12/17 02:01〜  360sec×14コマ
              撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて  気温は約-2℃
              カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
              フィルター : 無し
              レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
              ガイド : EM11(ノータッチ)
              処理
                ・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
                ・CameraRaw8.5 : Raw現像
                ・FlatAide : フラット補正
                ・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
                ・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々

              空の暗さ(BC)、透明度(BC)、フォーカス(BC)  5段階評価


            StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)




            この領域は「うみへび座」と「いっかくじゅう座」と「とも座」の境界部分です。
            主役は散開星団M48です。
            うみへび座の端に位置してますが、いっかうじゅう座の端の星から辿ったほうが分かりやすいです。
            NGC2539も入れるために縦構図にしています。
            左上の隅に3つの星が並んでいますが、これが構図決めの良い目印になってくれました。

            散光星雲などが無いのでちょっと地味な領域ですね。
            しかしすっきりした背景に3つの散開星団が結構目立っています。
            それぞれに性格が違っていて面白いです。

            フォーカス調整で赤いフリンジを出さないようにしたのですが、少し調整過多になってしまいました。
            この日は星の瞬きが大きくて、フォーカスの判断がとても難しかったです。
            星の青みをできるだけ抑えたつもりですが、本来の色合いは表現できていないでしょうね。
            いつもの調子で仕上げてみたら星がかなり煩くなってしまったので、最初からやり直してあっさりと仕上げてみました。
              → 前回(2015/02/10)はこちら


            M48 (ピクセル33%表示で切り抜き)

                星の集まりはちょっとまばらですが、かなり大きな散開星団です。




            NGC2506 (ピクセル33%表示で切り抜き)

                少し暗いですが、星がとても密集しています。
                左下にNGC2525という系外銀河があるようなのですが、、、。




            NGC2539 (ピクセル33%表示で切り抜き)

                M48をひと回り半ぐらい小ぶりにしたような感じですね。
                すぐ傍にある明るい星がポイントですね。





            12:33 | 旧版 | comments(2) | - | - | - |







            2015.12.24 Thursday

            星野写真(60Da、100mm) カシオペア座領域3

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              60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
              メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。


              この「カシオペア座領域3」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
                ・NGC869,884 : 散開星団(二重星団、Caldwell Object C14)
                ・IC1805 : 散光星雲 (ハート星雲)
                ・IC1848 : 散光星雲 (ソウル星雲、胎児星雲)







                撮影日時 : 2015/12/16 21:22〜  360sec×20枚
                撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約0℃
                カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
                フィルター : 無し
                レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
                ガイド : EM11(ノータッチ)
                処理
                    ・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
                    ・CameraRaw8.5 : Raw現像
                    ・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
                    ・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々

                空の暗さ(BC)、透明度(BC)、フォーカス(B)  5段階評価


              StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)



              この領域には、大きな散開星団と散光星雲があります。
              散開星団は同じような明るさのものが2つ並んでいて、”二重星団” と呼ばれています。
              ペルセウス座に位置しますが、カシオペア座からたどったほうが探しやすいと思います。
              散光星雲も大きなものが2つ並んでいて ”ハート&ソウル” と呼ばれています。
              この画角だとそれらを一緒に収めることができ、しかもそれぞれが大きいので見応えがありますね。

              この散光星雲は存在だけなら簡単に写せますが、諧調豊かに仕上げようとすると案外と手強いです。
              色合いも赤一辺倒ではなくて青の成分もあるようです。

              この領域は秋の銀河(天の川)の中なので、微光星がびっしりです。
              そして所々に暗黒帯がうねうねしています。

              たっぷり露光したので、ついついコントラスト強調をやり過ぎたようです。
              でもまあ、前回(2014.12.18)は控え目に仕上げたので、今回はこれで良いかなと思っています。
                → 前回はこちら
              フォーカスはまあまあ追い込めましたが、星像が大きくなってしまいました。
              シーイングが悪くて星の瞬きが大きかったのですが、この焦点距離でも影響が出るのですかね?



              二重星団 (ピクセル50%表示で切り抜き)

                  とても大きくて密集度も高い散開星団です。
                  双眼鏡で見るととても綺麗ですよねえ。
                  昔は恒星と思われていたようで、
                  西側の星団にはh、東側の星団にはχのバイエル符号が付けられていました。
                  私はhχ(エイチ・カイ)という名前で教わりましたが、今はそう呼ばないのでしょうか?
                  写真では、右斜め上の方向に並ぶ星の列が目立ちます。
                  星雲をしっかり浮かび上がらせようとすると、星像が潰れてしまいます。
                  青い星に混ざってオレンジ色の星が点在しているのがきれいなのですが、表現できませんでした。




              IC1805 (ピクセル50%表示で切り抜き)

                  大きな散光星雲で、その形から「ハート星雲」と呼ばれています。
                  輪郭の部分が特に星雲として目立っているのですが、ちょっと変わっていますね。
                  ちょうど真ん中付近に散開星団がありますが、IC1805は星雲とこの散開星団の番号のようです。
                  星雲の左端にもNGC1027という散開星団があります。
                  星雲の右上の特に明るい部分は「IC1795」という別の番号が付けられています。

                  写真星図を見ていたら、マフェイという銀河があるのに気が付きました。
                  右の矢印が「Maffei-1」、左が「Maffei-2」で、楕円銀河です。
                  マフェイはかつては私たちの局部銀河群の銀河と考えられていました。
                  現在は独立した銀河群で、局部銀河群から最も近い銀河群だそうです。




              IC1848 (ピクセル50%表示で切り抜き)

                  これも大きな散光星雲で、その形から「Soul Nebula(胎児星雲)」と呼ばれています。
                  言われてみると納得できますが、不思議な姿の星雲があるものですね。
                  赤一辺倒ではなくて青い成分もあるようで、微妙な色合いの表現は難しいです。





              16:37 | 旧版 | comments(12) | - | - | - |







              2015.12.23 Wednesday

              久し振りの北天ぐるぐる

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                12/18の晩に山梨県のみずがき湖で撮影した星空写真です。

                何年ぶりでしょうか?
                久しぶりに北天ぐるぐるをやってみました。



                北天ぐるぐる


                  2015/12/19 00:29  Tokina10-17mm(10mm) F4.0→4.0  固定撮影(600秒、インターバル1秒)
                  17枚を比較明合成  EOS KissX3 RAW、ISO400  山梨県・みずがき湖にて

                星野写真の撮影を開始してからカメラを湖畔に設置しに行き、バッテリーが切れた頃に回収に行きました。
                3時間弱のぐるぐる写真です。

                私のやり方は10分露光の画像を比較明で合成していきます。
                でも1秒のインターバルが入ってしまうので、よく見ると星の軌跡が細切れになってしまいます。
                プレアデス星団(すばる)など面積を持つものは苦手で、細切れの様子が目だってしまうのが難点です。

                レンズの曇りを心配したのですが、大丈夫でした。
                1枚目の画像で色合いを調整したのですが、星空がだんだんと赤っぽくなっていました。
                そこで、合成後にも色合いの調整を行なっています。

                地上風景部分の画質がかなり悪いので、暗くして誤魔化しています。
                今後はこのあたりを何とかしたいですね。











                2015.12.22 Tuesday

                星景写真におけるフィルターをどうする?

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                  デジタルカメラで星景写真を撮ると、星はとてもシャープに写って星座の形などがほとんど分かりません。
                  そこでディフュージョン・フィルターを使って、星を少し滲ませてやります。

                  しかしディフュージョン・フィルターをレンズの前に配置すると、周辺部の明るい星がラグビーボールのような形に歪んでしまうことがあります。
                  これを回避するために、私は「リー・ポリエステルフィルター」を適当な大きさに切り抜いて、レンズの後ろに貼り付けています。


                  一方で、地上の風景はフィルターの効果によって少しぼやけてしまいますよね。
                  そこで試しに、地上風景にはフィルター無し、星空にはフィルター有り、をやってみました。
                  思い切ってレンズの前にフィルターを配置してみたところ、星の歪みが気にならないじゃないですか。
                  一番効果の弱いフィルターを使ったからでしょうかね。


                  牡鹿像と昇ってきた冬の大三角


                    2015/12/16 22:24  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
                    地上風景部分は4枚をコンポジット、星空部分は1枚でLee Soft-1 Filterをレンズの前に配置
                    地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
                    EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

                  拡大してみると地上風景はまだボケていますが、
                  無限遠にフォーカスを合わせているためと、高ISO感度で撮影しているためと思います。


                  地上風景用に仕上げた画像を下に示します。
                   


                  星空用に仕上げた画像を下に示します。
                   


                  両者を下のようなマスク(およびその反転)を使って合成しています。
                   


                  「リー・ポリエステルフィルター」は下のようなものです。
                  ポリエステルベースを素材にしたもので、100mm角のプラスチックマウントにセットされており、マウントの内側は87mm角です。
                  露光時間が短いので、これを手で持ってレンズの前に配置しています。
                  そのためにレンズフードが使えないのが難点ですかね。




                  以前のスタイルの地上風景もフィルターを使ったものと比べてみましょう。


                  牡鹿像と昇ってきたオリオン


                    2015/11/15 22:33  EF24mm F1.4→2.8  Lee Soft-1 Filter(レンズの後ろ)  固定撮影(20秒)
                    連続して5枚を撮影、地上風景部分は最初の4枚をコンポジット、星空部分は最後の1枚を使用
                    地上風景部分と星空部分は別処理してマスクを使って合成
                    EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

                  あれ?ほとんど差が分かりませんねえ。
                  頑張ったのにちょっと(かなり)残念です。

                  牡鹿像がくっきりしていないのは、無限遠にフォーカスを合わせているためでしょう。
                  そして山や手前の木々がシャープさに欠けるのは、やはり高ISO感度で撮影しているためのようです。

                  ISO感度を低くすると露光時間が長くなってしまうので、私の撮影スタイルにはちょっと合わないのですよねえ。
                  撮影スタイルというと大げさですが、冬場はシャッターが切れるのをずっと待っていると、寒くて耐えられないのです。











                  2015.12.21 Monday

                  先週の夜遊び

                  0

                    先週の夜遊びの様子です。
                    いつも似たような内容になりますが、まあ備忘録ということで、、、。


                    週初めに「ふたご座流星群」の極大日を迎えましたが、
                    天気の予報が期待薄だったので、さっさと寝ました(苦笑)。



                    [12/16-17]

                    昼間はかなり気温が高くなりましたが、午後には風向きも変わってGPV予報も良好です。
                    21時半頃に月が沈むので、20時過ぎにみずがき湖に着くとやはりKさんがいらっしゃいました。
                    天気は良好で星空が広がっています。
                    2日前のふたご座流星群の極大日がこうだったら良かったのですがねえ。
                    Kさんによると昼間はPM2.5で甲府盆地は霞んでいたそうです。

                    月が沈むとカシオペア付近の秋の銀河(天の川)も見えてきました。
                    でも空の透明度はイマイチで、PM2.5の影響がまだあるのですかねえ。
                    そして星の瞬きが大きくて、フォーカス合わせが難しかったです。
                    Kさんのバーティノフマスクを使ったライブビュー画像を見せてもらいましたが、大きく揺らいでいました。
                    ビジターセンターの「こーちゃん」さんが夜半過ぎに駐車場に来られましたが、星が大きいと嘆いていました。

                    駐車場の奥に車を停めていた方が、キーを中に入れたままドアをロックしてしまうという事件が起きました。
                    すぐ前の交番に相談に行くように勧めて、暫くしてJAFが来て解決しました。
                    もっと山の中で一人だったらと思うと、私たちも十分に注意しないといけませんね。

                    一晩中雲が湧く気配は全くなく、気温は0℃前後でした。
                    でもときどき強い風が吹いて寒かったです。
                    いつものように星野写真を撮りながら、星景写真を撮影しました。
                    この日はちょっと趣向を凝らして?フィルターの有無を組み合わせてみました。
                    思っていたよりもいい感じに仕上がりそうです。
                    最後はカタリナ彗星を撮影しましたが、思ったよりも地平高度が高くなっていますね。
                    でも特にイオンの尾は淡くて、ちょっと残念です。


                    フロントガラスに映った冬の星座たち


                      2015/12/16 22:50  EF24mm F1.4→2.8  固定撮影(20秒)
                      EOS 6D RAW、ISO6400  山梨県・みずがき湖にて

                    久し振りに車のフロントガラスに星を映してみました。
                    けっこう良く映るので面白いですよ。
                    でも冬の星座が手前に寄ってしまって窮屈そうで、”すばる” もギリギリですね。
                    ”オリオン” が南中する少し前だったのですが、もっと早く撮れば良かったです。
                    車は大まかに言って南に向けて停めています。

                    あれっと思って調べてみたのですが、残念なことに ”ぎょしゃ座のカペラ” が入っていませんでした。
                    これが入っていたら「冬のダイヤモンド」が写せたわけです。
                    普通に撮影すると画角が足りないのですが、こうすると写せるとは大発見です。
                    なお、ディフュージョンフィルターは使用したかどうか忘れてしまいました。



                    [12/18-19]

                    新月の頃の天気が駄目だったので、中一日ですが思い切って出かけました。
                    月は0時少し前に沈むので、22時頃にみずがき湖に着くと、予報に反して雲が多いです。
                    肝心の北極星が見えません。
                    2日前にKさんはこれで今年は終わりと言っていましたが、やはりいませんでした。
                    でも車が1台停まっていて、赤道儀に大きな望遠鏡が載っているのが見えました。
                    少しお話をさせて頂くうちに、10月にみずがき山でお会いした人だと気づきました。
                    しかも私と同じく八王子からということでびっくりです。

                    23時頃から雲が少なくなって、月が沈む頃にはほぼ快晴になりました。
                    空の状態は前回よりも心持ち良いでしょうか?
                    でも星の瞬きはこの日も大きいです。
                    寒気がやってきているせいでしょうか、北側と東側に時々雲が湧きますが、大きな影響はありませんでした。
                    気温は−5℃あたりまで冷え込みましたが、意外にも耐えられました。

                    いつものように星野写真を撮りながら、星景写真を撮影しています。
                    前回と同様にフィルターの有無を組み合わせてみました。
                    そしてとても久し振りに、比較明合成の北天ぐるぐる写真も撮ってみました。

                    最後はやはりカタリナ彗星です。
                    前回よりも双眼鏡(7×42)で頭部はよく見えました。
                    彗星がいなければもっと早く帰るのですが、、、なんて罰当たりなことを言っちゃいけませんよね。
                    でも帰りは東に向かうので、昇ってきた太陽が眩しいのですよね。



                    2回の夜遊びでの写真は処理があまり進んでいません。
                    この時期は大掃除が最優先事項なので、ぼちぼち仕上げて公開していきたいと思います。











                    2015.12.20 Sunday

                    星野写真(60Da、100mm) ぎょしゃ座領域2

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                      60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
                      メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。


                      この「ぎょしゃ座領域2」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
                        ・Sh2-240(Simeis 147) : 超新星残骸

                      以下の対象は「ぎょしゃ座領域1」を参照して下さい。  → こちら
                        ・M36 : 散開星団
                        ・M37 : 散開星団
                        ・M38 : 散開星団
                        ・IC405 : 散光星雲(まがたま星雲、Caldwell Object C31)
                        ・IC410 : 散光星雲
                        ・IC417 : 散光星雲

                        ・Mel.31: 散開星団
                        ・Sh2-235 : 散光星雲







                        撮影日時 : 2015/12/08 01:32〜  360sec×20枚
                        撮影場所 : 山梨県・高根町にて  気温は約-2℃
                        カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
                        フィルター : 無し
                        レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
                        ガイド : EM11(ノータッチ)
                        処理
                          ・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
                          ・CameraRaw8.5 : Raw現像
                          ・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
                          ・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々

                        空の暗さ(BC)、透明度(C)、フォーカス(AB)  5段階評価


                      StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)




                      この領域の主役は「Sh2-240」という超新星残骸です。
                      ”おうし座” と ”ぎょしゃ座” の境界付近にあり、一般的には所属は ”おうし座” とするようです。

                      ぎょしゃ座の散開星団や散光星雲と一緒に撮ろうと構図を考えたのですが、大きな失敗をしてしまいました。
                      まがたま星雲(IC405)が切れてしまったのです。
                      構図はステラナビゲータを使って考えるのですが、IC410は表示されるのですがIC405は表示されないのですね。
                      そうとは知らずに、何も考えないで今回のような構図にしてしまったという訳です。
                      撮影場所を移動して準備に慌てていたこともあって、試写の画像を見ても気付きませんでした。

                      空の透明度はイマイチでしたが、撮影対象が天頂付近にあったためか、思ったよりもよく写りました。
                      でも「Sh2-240」はとても淡いですね。
                      2時間露光したので、もう少し炙り出せるかと思ったのですが、、、。
                      光害カットフィルターを使うとか、撮影の段階でもっとコントラストを高める工夫をしないと駄目ですね。
                      構図を考え直して再撮影するかどうかは、現時点では未定です。
                      これだけ淡いと腰が重くなっちゃいますね。



                      Sh2-240 (ピクセル33%表示で切り抜き)

                          およそ10万年前に出現したと言われている超新星残骸です。
                          大きさは4度ほどもありますが、とても淡いです。
                          試写画像を裏面モニターで見ても何も分かりませんでした。

                          諧調を反転させてみましたが、レムナントの形だけは辛うじて分かりますかね。






                      IC410 付近 (ピクセル50%表示で切り抜き)

                          IC410付近を切り出してみました。
                          いろんな天体が集まっていて、星の色も鮮やかで、とても華やかな領域ですね。





                      08:51 | 旧版 | comments(4) | - | - | - |







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