60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「おとめ座領域1」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M49 : 系外銀河(楕円銀河)
・M61 : 系外銀河(渦巻き銀河)
※ 他は「かみのけ座領域3」で説明しています。
撮影日時 : 2016/04/11 22:47〜 360sec×15枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約-2℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
追尾 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・FlatAide : フラット補正
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩調整
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(B)、透明度(C)、フォーカス(BC) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団はメシエ天体だけを表示)
この領域の主役はM49とM61です。
でもそれだけだと勿体無いので、
(前回よりもさらに)写野を少し北側に向けて系外銀河がかたまっている部分を入れました。
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前回はこちら
この辺りは系外銀河がとても多いので、天体名の表示はメシエ天体だけにしています。
この日は一時的に弱い冬型の気圧配置になって、4月としては透明度は結構良かったです。
でも上空は強い風が吹いているのか、シーイングが悪くて星の揺らぎが大きかったです。
そのためにフォーカス調整の判断が難しくて、結果的に赤いフリンジを発生させてしまいました。
Raw現像時にかなり低減させたので、星の色が淡泊になってしまったようです。
M49 (ピクセル67%表示で切り抜き)
おとめ座銀河団に属する銀河です。
メシエ天体の楕円銀河の中では最大と言われていますが、やはり楕円銀河は面白くないですね。
写真では淡い部分が大きく広がっているように見えますが、どうなのでしょう?
周りには系外銀河がたくさん写っているので、大きく切り出してみました。
M61 (ピクセル67%表示で切り抜き)
おとめ座銀河団に属していますが、位置は南のはずれになります。
渦巻き銀河で、メシエ天体としては小さな銀河です。
フェイスオン銀河なので、右から上方向へ伸びている腕がなんとか写りました。
M84、M86、M87 (ピクセル67%表示で切り抜き)
M84とM86から始まる弓状の銀河の並びは、
マルカリアンの銀河鎖(Markarian's Chain)と呼ばれています。
M87は巨大な楕円銀河で、おとめ座銀河団の中心に位置しています。
この領域は「かみのけ座領域3」で撮影しているのですが、切り出してみました。
色ムラと横スジのようなノイズ?で処理はかなり難航しました。
コンポジット後の画像をピクセル等倍で切り出したものを下に示します。
ヒストグラムのピークは輝度で116だったので、それを95−125に切り詰めたものです。
色ムラと、やや右下がりの横スジのようなノイズ?が分かると思います。
これの原因は何なのでしょうね?
ダークは温度差が2℃以内のものを使いまわしているのですが、毎回取得しないと駄目なのかなあ?