60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「カシオペア座領域2」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M52(NGC7654) : 散開星団
・NGC7635 : 散光星雲 (バブル星雲、Caldwell Object C9)
・Sh2-155 : 散光星雲 (洞窟星雲(Cave Nebula)、Caldwell Object C11) ※ ケフェウス座
・Sh2-157 : 散光星雲 (クワガタ星雲)
・NGC7380 : 散光星雲 ※ ケフェウス座
・NGC7538 : 散光星雲
・NGC7789 : 散開星団
撮影日時 : 2016/09/09 23:53〜 360sec×17枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+16℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
追尾 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw8.5 : Raw現像
・StellaImage6.5 : デジタル現像
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
空の暗さ(BC)、透明度(B)、フォーカス(AB) 5段階評価
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域は ”カシオペア” と ”ケフェウス” の境界付近で、秋の銀河(天の川)に沿って切り出した構図になります。
星がびっしりとちりばめられていて、その中に暗黒帯と赤い散光星雲が散在する様子はとてもカラフルです。
メシエ天体として散開星団があり、カルドウェル天体として散光星雲が2つもあります。
この領域の散光星雲は意外と淡いです。
バブル星雲のバブルのすぐ近くの部分は比較的明るいのですが、
それ以外は洞窟星雲もクワガタ星雲もそれほど明るくはありません。
だから透明度の良い空でたっぷり露光してやりたいです。
でも、この日は天気が安定しなくて、安定した晴れ間は1時間ほどしかありませんでした。
その前後も含めて3時間ほど撮影して、雲の影響が少ない6枚も含めて17枚を使っています。
地平高度がかなり高いこともあって、空の透明度は比較的良好でした。
1枚当たりの露光時間は天気の状態を考えて短めにしたのですが、正解だったと思います。
処理は非常に難航して何度もやり直しました。
無数の星と淡い星雲の雲合わせですからねえ。
そして全体の印象でうまくいったかなと思っても、星雲を切り出す段階で「こりゃ駄目だ!」となってしまうのです。
結局、全体の印象を大事にして、星雲のあぶり出しはほどほどにして、星の仕上がりも大切にしました。
不満な部分はたくさんありますが、今はこのあたりが精一杯です。
銀河(天の川)の中と言っても、左下側と右上側とでは色合いがかなり違いますね。
参考にできるような画像が見つからなかったので、この色合いは自信がありません。
この領域の撮影は3度目なのですが、難易度は非常に高いと痛感しました。
→
前回はこちら
M52、NGC7635、NGC7538、Sh2-157 (ピクセル50%表示で切り抜き)
カシオペア座には散開星団が40以上もあるそうで、その中で最大級のものがこのM52です。
その右下にある明るい星雲が「NGC7635(バブル星雲)」です。
でも私の写真では、名前の由来は良く分かりませんね。
もっと拡大撮影すると、綺麗なシャボン玉が浮かび上がってくるそうです。
「Sh2-157」はクワガタ星雲と呼ばれています。
淡い星雲ですが、何とかクワガタの頭と角が分かりますね。
「NGC7538」は小さいですが比較的明るいです。
そしてその上に淡くて大きな星雲が広がっていますね。
Sh2-155(洞窟星雲) (ピクセル50%表示で切り抜き)
左上の星雲が洞窟星雲と呼ばれている「Sh2-155」です。
色合いがとてもきれいですが、思っていた以上に淡いです。
輝線星雲の最も明るいカーブに隣接している東側の暗いラインが深い洞窟に見えるようです。
右下の星雲は「Sh2-154」のようです。
NGC7380 (ピクセル50%表示で切り抜き)
散開星団と散光星雲が重なり合っていて、鳳凰星雲という名前があるようです。
ハーシェルが見つけた時は、散開星団として記録されていたようです。
画像全体の印象で仕上げているので、明るくなってしまっています。
NGC7789 (ピクセル50%表示で切り抜き)
散開星団としては、写真ではM52より立派に見えますね。
彗星捜索などで有名な天文家であるレビーが大好きな10天体に選んだほどの
散開星団だそうです。
メシエ番号が付いていないのが不思議なくらいです。
これも画像全体の印象で仕上げているので、明るくなってしまっています。