2019.12.01 Sunday
星野写真(60Da、100mm) ぎょしゃ座領域2
60Daと100mm中望遠レンズによる星野写真シリーズです。
メシエ天体(全て),カルドウェル天体(一部),その他の面白そうな散光星雲や暗黒星雲、が対象です。
この「ぎょしゃ座領域2」には、以下の天体があります。 (※ 領域名は私が勝手に付けています。)
・M36 : 散開星団
・M38 : 散開星団
・IC405 : 散光星雲(まがたま星雲、Caldwell Object C31)
・IC410 : 散光星雲
・IC417 : 散光星雲
・Mel.31: 散開星団
・Sh2-235 : 散光星雲
撮影日時 : 2016/11/04 02:49〜 480sec×12枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+2℃
撮影日時 : 2019/11/05 02:51〜 360sec×16枚
撮影場所 : 山梨県・みずがき湖にて 気温は約+0℃
カメラ : EOS 60Da (ISO1600、RAW)
フィルター : 無し
レンズ : EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
赤道儀 : EM11(ノータッチ)
処理
・RAP2 : ダーク減算、フラット補正
・CameraRaw11.4 : Raw現像
・DSS : コンポジット
・StellaImage6.5 : デジタル現像、Lab色彩強調
・Photosop CC : コントラスト調整、色合い調整、等々
・StarNet++
・Nik Collection (Dfine 2)
空の暗さ(B)、透明度(B)、フォーカス(AB) 5段階評価 2016/11/04
空の暗さ(BC)、透明度(B)、フォーカス(B) 5段階評価 2019/11/05
StellaNavigator での写野 (恒星は9.5等まで、星雲星団は12.0等までを表示)
この領域の主役は「Sh2-240」という超新星残骸です。
”おうし座” と ”ぎょしゃ座” の境界付近にあり、一般的には所属は ”おうし座” とするようです。
ぎょしゃ座の散開星団や散光星雲と一緒に撮りたいところですが入りきりません。
そこで「M37(散開星団)」には申し訳ないですが、外れてもらっています。
今回の総露光時間は96分ですが、淡い対象にはこれでも不足でしょうね。
いつものように前回の撮影画像も使って処理しました。
→ 前回はこちら
それぞれをコンポジットしてグラデーションマスクを使ったかぶり補正を施してから、明るさを合わせてコンポジットしています。
それからは通常の処理で仕上げています。
今回は構図のずれが少なかったので、トリミングは長辺方向が約99%、短辺方向が約97%で済みました。
私の通常の処理では「Sh2-240(超新星残骸)はほとんど浮かび上がってきません。
そこでR成分に関してだけ、背景より少し輝度の高い領域を持ち上げてみました。
これでやっと薄っすらと見えてきましたが、これ以上やると「まがたま星雲」などがとんでもないことになります。
というわけで、これで精一杯です。
構図内に複数の性格の異なる天体があると面白いですが、共存するように仕上げるのは(私には)不可能ですね。
また光害カットフィルターを使うとか、撮影の段階でもっとコントラストを高める工夫をしないと厳しいです。
これらは単にたっぷり露光することだけでは解決しない問題だと思っています。
「Sh2-240」の右側に同じような色合いをしたものが広がっていますが、分子雲でしょうかねえ?
何か「Sh2-240」よりも目立っている気がします。
[追記(2019.12.02)]
別構図で撮影したものでは、このようなものが見られないことに気が付きました。
実在するものではなく、カブリ補正等で生じたものかもしれません。
→ 別構図のもの
Sh2-240 (ピクセル25%表示で切り抜き)
およそ10万年前に出現したと言われている超新星の残骸です。
大きさは4度ほどもありますが、とても淡いです。
試写画像を裏面モニターで見ても何も分かりませんでした。
諧調を反転させてみましたが、レムナントの形だけは辛うじて分かりますかね。
IC410 付近 (ピクセル33%表示で切り抜き)
「IC410」付近を切り出してみました。
この辺りの星雲は比較的明るいので、「Sh2-240」と両立させるのは無理そうです。